日本政策金融公庫が「食品産業動向調査(2021年7月調査)」の中で実施した「食品産業における農業参入、産地との連携、輸出の取組状況についての特別調査」結果(有効回答数2880先)によると、食品関連企業における農業参入の状況は、「既に参入している」が14.9%となり、前回の2018年7月調査と比較して2.2ポイント上昇したことが分かった。「参入を検討又は計画している」企業が4.8%だった。
業種別では、「小売業」(14.5%/前回調査比+7.1ポイント)、「卸売業」(16.2%/同+4.2ポイント)、「製造業」(14.9%/同+1.2ポイント)の順に「既に参入している」割合が上昇し、「飲食業」(6.3%/同-2.2ポイント)で低下した。「既に参入している」との回答数は、卸売業「青果物」(49社、+18社)で最も増加し、次いで卸売業「穀物・豆類」(19社、+11社)、製造業「食肉加工品」(24社、+10社)となった。
国内産地との連携について、今後の国産農林水産物の調達量は、全体の18.0%が「増加する」と回答。「増加する」との回答は、「製造業」(19.6%)で最も高く、次いで「小売業」(17.5%)、「卸売業」(15.1%)、「飲食業」(11.0%)の順となった。製造品目別では「増加する」の回答割合は、「冷凍食品」(35.3%)が最も高く、次いで「めん類」(32.4%)、「農産保存食品」(27.3%)と続いている。
また、食品産業における輸出の取組状況は、「既に取り組んでいる」が30.0%、「今は取り組んでいないが、今後取り組みたい」が20.3%となり、この2つをあわせた輸出に前向きな回答は50.3%となった。輸出に前向きな回答は、「製造業」(60.0%)、「卸売業」(41.0%)、「飲食業」(21.6%)、「小売業」(19.0%)の順に割合が高く、飲食業以外の業種で前回調査(2021年1月)から上昇した。
製造品目別の輸出に前向きな回答の割合は、前回(2021年1月調査)に引き続き「酒類」(87.6%)で最も高く、次いで「調味料」(76.4%)、「油脂」(71.4%)となった。今後の輸出への取組意向については、輸出に「既に取り組んでいる」企業の75.4%が「さらに取組みを拡大したい」と回答。「さらに取組みを拡大したい」との回答は、特に「製造業」(77.0%)、「卸売業」(71.6%)で高くなっている。
特別調査:農業参入、産地連携、輸出の取組状況は↓