「脱炭素」の名称認知は85.4%、内容認知は57.3%

 2030年度の温室効果ガス46%削減(2013年度比)に向けては、66%の排出量削減が必要とされる家庭部門、すなわち生活者の暮らしにおける削減が鍵を握ると言われている。博報堂は、COP26開幕も間近に迫る現在、日本の生活者に脱炭素の意識がどの程度浸透しているのか、その実態を、全国15~79歳男女 計1400名を対象に実施した「生活者の脱炭素意識&アクション調査」で速報している。

 調査結果によると、「脱炭素」という言葉を知っている人(名称認知)は85.4%、内容も知っている人(内容認知)は57.3%となった。脱炭素について知っていること(複数回答)は、「CO2などの温室効果ガス排出量を抑え、気温上昇を2℃以内にとどめないと地球環境に深刻な影響が出ること」が50.8%と最も認知され、続いて「先進国を中心に、国ごとに具体的な削減目標を決めて取り組もうとしていること」が42.3%と高くなっている。

 「脱炭素に関心がある」人は、全体で66.1%。特に、Z世代やシニアが高い。「非常に関心がある」と回答した人も、全体25.3%に対し、Z世代は34.5%、女性60代は34.0%、男女70代は約4割と、高い関心が持たれている。脱炭素には誰が取り組むべきかは(複数回答)、「大企業」(82.9%)、「政府・官公庁」(78.9%)、次いで「生活者」(67.3%)、「中小企業」(61.8%)と続き、自分たちも取り組むべき課題であるとの認識も高くなっている。

 日々の暮らしで脱炭素を「非常に意識して行動している」人は3.3%、「ある程度意識している」を含めても32.1%にとどまる。脱炭素に向けた行動に取り組めていない理由(複数回答)は、「自分が何をすれば貢献できるのか、よくわからない」(58.1%)、「手軽に取り組めそうなものがわからない」(56.1%)などが上位となり、生活の中で自分たち個人にできることが認知されていないことがうかがえる。

 暮らしの中で脱炭素を意識することに対するイメージ(そう思う計)は、「+アルファの出費が必要になる」(75.4%)、「面倒くさくなりそう」(67.9%)、「取り組むことで、少し不便になりそう」(66.8%)など、何かを我慢したり、手間をかけたりすることが必要そうだと感じている一方で、「誰でもできること」(70.2%)と、自分にもできるというイメージも持っているようだ。

 同調査結果は↓

https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2021/10/211018.pdf