全国のオフィスビルストックは三大都市に72%が集中

 日本不動産研究所がこのほど発表した「全国オフィスビル調査」結果によると、全国87都市における2021年1月現在の調査対象のオフィスビルストックは、全都市計で1億3178万㎡(1万572棟)となった。東京区部が7305万㎡(5009棟)で全都市の55%(面積ベース)、大阪が1609万㎡(1260棟)で同12%、名古屋が631万㎡(531棟)で同5%となっており、三大都市に72%が集中している。

 このうち2020年の新築オフィスは、全都市計で225万㎡(64棟)。都市別では、東京区部が202万㎡(46棟)と全都市の90%を占め、次に横浜が11万㎡(2棟)、名古屋が3万㎡(3棟)、大阪が2万㎡(4棟)、札幌が2万㎡(1棟)と続いている。2020年のオフィスビルの取壊しは、全都市計で67万㎡(81棟)となり、このうち東京都区部が44万㎡(45棟)でシェア66%、次に大阪が9万㎡(12棟)、名古屋が5万㎡(7棟)だった。

 今後3年間(2021~2023年)のオフィスビルの竣工予定は、全都市計で437万㎡(148棟)の供給計画があり、このうち大手町・丸の内地区、八重洲・京橋・日本橋地区、新橋・虎ノ門地区等で再開発が進行している東京区部が276万㎡と全体の63%を占める。次に、梅田地区等で再開発が行われる大阪が51万㎡、みなとみらい地区等で開発が行われる横浜が40万㎡と続くが、全体的に東京以外の地区での供給は少ない。

 新耐震基準以前(1981年以前)に竣工したオフィスビルストックは、全都市計で3122万㎡(2947棟)とストック全体の24%を占める。都市別でみると、福岡(40%)、札幌(36%)、京都(35%)、広島(31%)、大阪(30%)、地方都市(30%)と続く。また、規模別ストック量をみると、10万㎡以上のビルが東京区部で26%と突出して高く、大阪、名古屋でも10%を超えている。逆に5千㎡未満は地方都市が22%と最も高い。

 築年数別でストック量をみると、東京区部は築10年未満のビルが20%、築40年以上は19%、大阪は築10年未満の割合が11%、築40年以上が28%、名古屋は築10年未満が14%、築40年以上が24%。三大都市では築10年未満の割合が10%を超えており、主要都市・地方都市より築浅のビルの割合が大きい。また、建替候補となる築40年以上のビルの割合は、建替が進んでいる東京区部では19%と他の都市に比べて少ない傾向にある。

 同調査結果は↓

https://www.reinet.or.jp/wp-content/uploads/2021/10/0f4bf1c1c901cda0108001b3569ff5b2.pdf