SDGsの認知度が9割超、取組み実施企業も7割超

 日本能率協会が企業経営者を対象に実施した「当面する企業経営課題に関する調査」結果(有効回答数517社)によると、国連が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標)に対する認知状況は、「知っている」との回答が昨年よりも9.6ポイント増加して80.1%となった。また、「知っている」と「ある程度、知っている」(12.8%)を合わせると、SDGsを知っていると答えた経営者が92.9%となり、初めて9割を超えた。

 従業員規模別にみると、大企業では、「知っている」、「ある程度、知っている」の合計が97.5%、中堅企業で93.8%、中小企業でも86.8%だった。特に、中小企業については、昨年よりも10.3ポイントの大幅増で、SDGsに対する経営者の認知が一層、広がっている。投資家からESG経営への取組みが求められ、また、地方創生の一環として、各自治体が地域におけるSDGsの普及に取り組んできたことが影響しているとみられる。

 SDGsに関わる活動の取組み状況は、2021年は、「具体的な目標を設定して取り組んでいる」企業が30.4%(昨年比5.2ポイント増)、「具体的な目標の設定はしていないが、SDGsに沿った活動を行っている」が 44.1%(同7.6ポイント増)となった。両者を合わせると、SDGsに取り組む企業が昨年より10ポイント以上(+12.8ポイント)増加し、7割を超える(74.5%)という結果になっている。

 SDGsに関わる取組みの目的として重視していることは、2021年は、「企業の社会的責任を果たすこと」について、「非常に重視している」、「重視している」の合計が87.3%と約9割に達し、最も重視度が高い項目として挙げられた。そのほか、「中長期的な企業価値を向上させること」(81.8%)、「企業ブランドを向上させること」(68.3%)、「社員のモチベーションや帰属意識を高めること」(64.4%)についても、比率が高めになっている。

 SDGsに関わる取組みを進めていく上での課題は、2021年は、「取組みについての具体的な目標・KPIの設定」と「自社の取組みに対する社員の認知度向上」について、「課題である」との回答が 84.6%となり、同率で第1位に挙げられた。「社内推進体制の構築」(80.5%)、「戦略との統合やマネジメントシステムへの実装」(82.6%)についても、「課題である」との回答が8割を超え、上位の課題となっている。

 同調査結果は↓

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