厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査」結果速報によると、従業員5人以上の事業所の8月の一人平均現金給与総額は、前年同月比0.7%増の27万4987円で6ヵ月連続の増加となった。給与総額のうち、基本給に当たる所定内給与は0.2%増の24万4437円で8ヵ月連続の増加、残業代などの所定外給与は6.5%増の1万7784円で5ヵ月連続の増加、賞与など特別に支払われた給与は2.0%増の1万2766円で2ヵ月ぶりの増加となった。
この結果、所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比0.6%増の26万2221円で6ヵ月連続の増加となった。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は1.4%増の35万6287円、パートタイム労働者は▲1.7%の9万5912円。なお、物価の変動分を計算に入れた実質賃金指数(現金給与総額)は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が0.4%上昇し、0.2%増と2ヵ月連続で増加した。
また、8月の一人平均総実労働時間は、前年同月比0.7%増の129.6時間で2ヵ月ぶりの増加。内訳は、所定内労働時間が0.2%増の120.5時間で2ヵ月ぶりの増加、所定外労働時間は7.0%増の9.1時間で5ヵ月連続の増加。景気との連動性が高い製造業の所定外労働時間(季節調整済指数、前月比)は▲4.3%で6ヵ月ぶりの減少。就業形態別にみると、一般労働者は1.6%増の153.5時間、パートタイム労働者は▲2.6%の77.0時間となった。
一方、8月の常用労働者数は、前年同月比1.3%増の5203万5千人となり、186ヵ月連続の増加。就業形態別にみると、正社員などの一般労働者は0.7%増の3578万1千人で103ヵ月連続の増加、パートタイム労働者は2.3%増の1625万5千人で5ヵ月連続の増加。主な産業についてみると、「製造業」は▲1.3%、「卸売業、小売業」は1.3%増、「医療、福祉」は2.7%増となった。なお、勤労統計の速報値は、確報で改訂される場合がある。
同調査においては、本来「500人以上規模の事業所」については全数調査すべきところ、一部抽出調査を行い、かつ抽出調査を行う場合に行う必要がある統計的処理(復元)を2004年から2017年までの間行っていなかった。2018年11月分確報から、掲載する数値を、従来公表してきた値から、2012年以降において東京都の「500人以上規模の事業所」についても復元して再集計した値(再集計値)に変更したので注意が必要だ。
8月分結果速報の概況は↓
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r03/2108p/dl/pdf2108p.pdf