10月の消費意欲指数、季節的な消費で女性の意欲向上

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、10月の消費意欲指数は46.2点で、前月比は+0.6ポイントの横ばい、前年比では-1.9ポイントの低下となった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比+3.5ポイント、前年比では+1.5ポイントの27.8%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(10月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。10月の消費意欲指数は、9月と同水準で推移することが多く、今年も前月比+0.6ポイントで横ばいとなった。しかし、男女別でみると、前月比で男性-2.4ポイント、女性+3.7ポイントと大きな差がある。

 また、前年10月は、コロナ禍の制限緩和が進み、反動消費の影響で指数が過去5年の最高値だったため、前年比は-1.9ポイントと低下している。消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、前月と比べて消費にポジティブな回答は、男性は減少(9月140件→10月120件)に対し、女性は増加(9月174件→10月215件)。具体的には、女性では「秋・冬物の服が欲しい」など「季節的な消費意欲」(9月39件→10月88件)が前月から増えている。

 一方、男性は「金銭的余裕がない」(9月52件→10月73件)など消費にネガティブな回答が増加している。また、コロナ禍に関連した消費にネガィブな回答の件数は7月以降同程度だったが、10月は増加(7月157件→8月167件→9月165件→10月211件)している。全体ではコロナ禍の影響もあり消費への意欲の力強さは欠けるものの、女性においては季節的な消費を中心に意欲の高まりが期待できそうだ。

 「特に買いたいモノ・利用したいサービスがある」人の割合は27.8%に上昇。カテゴリー別の消費意向は、前月と比べて「ファッション」、「食品」が20件以上増えている。これらは主に女性によるもので、カテゴリー別でも女性の意欲の高さがうかがえる。また、コロナ禍の制限緩和が進んでいた前年10月と比べると「PC・タブレット」、「書籍・エンタメ」が20件以上増加しており、イエナカ消費への意欲は、前年より高まっているようだ。

同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2021/09/202110.pdf