経営層と一般社員、働き方・仕事意識にギャップあり

 博報堂が100人以上の企業勤務者を対象に実施した「会社と私の本音調査」結果(有効回答数:経営層300人、管理職500人、一般社員450人)によると、「自分の会社が好き」、「自分の仕事が好き」、「自分の職場が好き」、「自分の会社に誇りを持っている」のいずれの質問でも、経営層>管理職層>一般社員という結果になった。経営層の8割以上が自社や仕事への愛着や誇りを持っている一方で、一般社員はその半分程度にとどまっている。

 副業や転職に関する本音では、一般社員の79.6%が「会社が副業を認めることに賛成」、68.0%が「自分で副業をしたい」と回答、一般社員層に副業に対する前向きな意識が浸透していることが分かった。「会社が副業を認めることに賛成」は全ての層で6割を超え、会社全体としても外に開きつつある状況がうかがえる。また、一般社員の57.8%が「今の仕事よりやりたいことがあれば、すぐにでも今の仕事をやめたい」と答えている。

 仕事・働き方の未来の本音では、「働き方を変えなくても自分は定年(引退)まで乗り切れる」との回答は経営層64.7%、一般社員38.7%と、26ポイントの差があった。一方、「今の職種は今後必要とされなくなる」は経営層28.7%・一般社員47.1%、「今の仕事は将来AI等に取って代わられる」は経営層25%・一般社員48.7%と、いずれも一般社員層が最も高く、一般社員の半数が“今の仕事がなくなっていく”と感じている状況にある。

 階層間コミュニケーションに対する本音では、経営層の53.3%が一般社員とコミュニケーションを取れていると感じているが、一般社員側では33.3%。また、経営層と管理職層とのコミュニケーションでは経営層の58.3%に対し、管理職層は41.0%にとどまった。さらに、管理職層の47.8%が一般社員とコミュニケーションが取れている、一般社員の41.3%が管理職とコミュニケーションが取れていると回答した。

 今後(理想)では、経営層の89.3%、一般社員の76.7%が相互の良好なコミュニケーションを望み、特に経営層からの問題意識が強い様子が見られる。経営層の88.3%、管理職層の85.8%と、この二層間では85%以上が相互の良好なコミュニケーションを望んでいる。また、管理職層の87.4%、一般社員の81.8%がお互いの良好なコミュニケーションを望んでおり、この二層間でも高いコミュニケーション欲求がうかがえた。

 同調査結果は↓

https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2021/09/20210915.pdf