東京商工リサーチがこのほど発表した「上場企業2459社の平均年間給与調査」結果によると、2020年度(2020年4月期~2021年3月期)の上場2459社の平均年間給与は603万2000円(前年度比▲1.7%、前年度614万円)で、前年度より10万8000円減少した。平均給与は2012年度から8年連続で上昇したが、2020年度は初めて減少に転じた。平均給与の中央値は587万9000円(前年度597万8000円)で、2年連続で低下した。
産業別の最高は、「建設業」の732万4000円で、2013年度以降、8年連続で増加したが、増加額は2016年度(前年度比21万2000円増)をピークに縮小。そのほか、「不動産業」706万3000円、「電気・ガス業」689万7000円と続く。一方、最低は「小売業」の476万7000円で、唯一、400万円台にとどまった。コロナ禍の影響が懸念される小売業と「サービス業」(平均給与535万2000円)は、調査を開始の2012年度以降初めて減少に転じた。
平均給与トップの「建設業」と最低の「小売業」の差は255万7000円で、前年度より6万4000円拡大し、1.5倍の格差が生じている。平均給与の伸び率の最高は、「電気・ガス業」の2.0%増(675万8000円→689万7000円)。2020年度に沖縄電力を除き送配電事業を分社化し、四国電力と九州電力を除き平均給与は上昇した。一方、減少率の最大は、「製造業」の▲2.4%(619万4000円→604万3000円)だった。
平均給与の最高は、不動産事業などを手掛ける「ヒューリック」の1708万1000円(前年度1760万9000円)で、2年連続で1700万円台を維持した。2位は「三菱商事」1678万3000円(同1631万8000円)、3位は「伊藤忠商事」1627万8000円(同1565万7000円)、4位は「三井物産」1482万5000円(同1393万4000円)、5位は「住友商事」1356万3000円(同1437万円)と、総合商社が続く。
平均給与「1000万円以上」は39社で、前年度(42社)より3社減少した。また、「900万円以上1000万円未満」が37社(前年40社)、「800万円以上900万円未満」125社(同139社)、「700万円以上800万円未満」298社(同334社)、「600万円以上700万円未満」614社(同651社)と、前年度を下回った。一方、「500万円以上600万円未満」775社(同757社)、「500万円未満」571社(同496社)は増加した。
同調査結果は↓