メディア総接触時間は450.9分と大幅伸長、過去最高

 博報堂DYメディアパートナーズが、生活者のメディア接触の現状を捉えるため、東京都・大阪府在住の15~69歳の男女を対象に今年1月から2月にかけて実施した「メディア定点調査」結果(有効回答数962人)によると、2021年のメディア総接触時間は昨年から39.2分伸びて450.9分(1日あたり/週平均)と過去最高となったことが分かった。メディア定点調査開始以来、最大の伸びとなった。

 各メディア別にみると、「携帯電話/スマートフォン」(139.2分、昨年から18.0分増)を始めとして、「タブレット端末」(36.1分、同9.7分増)、「パソコン」(73.3分、同8.4分増)の接触時間が伸びた。「携帯電話/スマートフォン」(30.9%)、「タブレット端末」(8.0%)、「パソコン」(16.3%)の合計が全体に占める割合は55.2%と大きく増加。「テレビ」の接触時間は5.8分増加して150.0分と2019年(153.9分)と同程度に戻った。

 定額制動画配信サービスの利用は昨年から9.7ポイント上昇して46.6%と半数に迫った。コロナ禍前から伸びており、2年前の2019年からは18.8ポイント増加し、急速に成長。テレビ受像機のインターネット接続率も45.8%(昨年から5.3ポイント増)と半数に迫る勢い。動画をテレビで見ることができるストリーミングデバイスは4人に1人(25.5%)が所有するようになり、テレビを取り巻くメディア環境は目覚ましく変化している。

 テレビの利用時間に何を入れたのかを聴取した結果、「有料動画」(昨年から8.4ポイント増の21.8%)・「無料動画」(同3.6ポイント増の22.6%)ともに増加し、2割を超えた。動画視聴をテレビ視聴と捉えている生活者が増加し、「テレビを見る」という概念が拡張した。ちなみに、「テレビ番組をリアルタイムで見る」は87.6%(同3.3ポイント増)、「録画したテレビ番組を見る」は72.5%(同▲0.5ポイント減)となっている。

 生活者のメディア意識・態度の変化の大きさを見るべく、意識・態度に関する63項目を昨年と今年のスコアの差分でランキングしたところ、「好きな情報やコンテンツは、好きな時に見たい」が最も変化し、昨年から6.3ポイント増加して63.7%と6割を超えた。定額制動画配信サービスなどの充実によりコンテンツが飛躍的に増加し、自分の好きな時にメディアに接触する環境が整ったと言える。

 同調査結果は↓

https://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/report/20210524_29812.html