テレワークでの働き方、「働く時間」に多くの人が満足

 リクルートキャリアがこのほど発表した「新型コロナウイルス禍における働く個人・企業の意識調査」の個人向け調査結果(有効回答数2272人)によると、新型コロナウイルス感染症の影響によってテレワークを経験した人に、テレワークでの働き方の満足度を8項目で確認し、「大変満足」と「満足」を合計した満足度の指標は、全体の70.3%の人が「働く時間(始業・終業時間や休憩など総合的に)」を選択した。

 次いで、「有給休暇の取得しやすさ」が61.2%、「働く場所(家やサテライトオフィスの中の環境)」が57.4%と続いた。一方で、不満足(「大変不満足」+「不満足」)の割合が高かった項目は、「勤務環境を整えるための会社からの補助(在宅勤務手当など)」(47.0%)、「働くためのツール(デスクやチェアなど)」(38.0%)、「テレワーク環境(社内システムやネットワーク環境)」(25.6%)といった勤務環境の整備に関わるものが目立った。

 テレワークでの働き方の満足度とストレス状況を、20代~40代の世帯形態別に比較しましたところ、満足度については、全ての年代で「夫婦(子どもなし)」、「夫婦(子どもあり)」、「ひとり暮らし」の順にテレワークでの満足度が高いことが分かった。また、全ての年代・世帯で不満足の割合は20%を切っており、全体としてテレワークでの働き方に前向きな様子がうかがえる。

 一方、人事担当者を対象とした人事向け調査結果(有効回答数1224人)によると、新型コロナウイルス禍の影響で導入した新しい人事制度(複数回答)としては、「在宅勤務手当などの支給」(48.0%)、「フレックスタイム制の導入」(38.4%)、「居住地に関する規定の緩和」(32.7%)の順に高い。全体からすると、約20%の企業は在宅勤務手当などの支給を行ったことが分かり、新型コロナウイルス禍でも奮闘している人事の動きがうかがえる。

 今回、新しい人事制度を策定していないと答えた47.9%の人事担当者の中には、元々企業としてテレワークやフレックスタイム制が整備されていたというケースもあると思われる。リクルートキャリアは、「その点を考慮しても、柔軟な働き方を実現するために対応している企業は増えてきている。何も取り組んでいない企業と、しっかりと取り組んでいる企業の人材の求心力の差は開いていくと考えられる」とコメントしている。

 同調査結果は↓

https://www.recruitcareer.co.jp/news/20210217_02isc7h.pdf