日本政策金融公庫が発表した「小企業の雇用に関する調査」結果(有効回答数6388社)によると、現在の従業員数が最近の営業状況と比べて「不足」と 回答した企業割合は 26.8% と、 前回調査(2019年7~9月期)から12.8ポイント低下した。一方、「過剰」と回答した企業割合は15.0%と、前回調査から8.2ポイント上昇した。従業員過不足DI(全業種計)は、前回調査から20.9ポイント低下し、11.9となった。低下は11 年ぶり。
従業員過不足DI(「不足」-「過剰」企業割合)を業種別にみると、全ての業種で低下。ただし、水準は製造業を除く全ての業種でプラスとなっている。「不足」割合は、「建設業」が48.8%と最も高く、次いで「情報通信業」(38.0%)、「運輸業」(34.9%)の順。また、従業員数が1年前と比べて「減少」と回答した企業割合は19.1%と、前回調査における今後の方針(3.9%)を上回った。
人手不足の影響では、「人手が足りず、需要の増加に対応できない」と回答した企業割合が41.5%と最も高く、次いで「人手を確保するために賃金を上げている」が31.8 %。人手不足への対応では、「増員(パート・アルバイトを含む)」(50.4%)や「賃金の引上げ」(25.0%)、「残業の増加」(6.2%)が低下する一方、「仕事のプロセス(段取り)の効率化」(27.8%)や「仕事の外注化」(26.9%)、「仕事の機械化・IT化」(10.3%)は上昇した 。
給与水準DI(「上昇」-「低下」企業割合)(全業種計)は前回調査から18.9ポイント低下し、11.2となった。給与水準が「低下」した企業の割合を従業者規模別にみると、規模が小さいほど高い。給与水準DIを業種別にみると、全ての業種で低下。ただし、水準は運輸業を除く全ての業種でプラス。給与が上昇した企業の割合は、「情報通信業」が39.1%と最も高く、次いで「建設業」(28.2%)、「小売業」(23.4%)の順だった。
給与水準が上昇した背景をみると、「人材の定着・確保」と回答した企業割合が67.5%と最も高く、次いで「最低賃金の改定」(37.8%)、「自社の業績が拡大」(16.2%)、「同業他社の賃金動向」(13.6%)となっている。従業者規模別にみると、規模が大きいほど「同業他社の賃金動向」と回答した企業割合が高くなっている。
同調査結果は↓