大卒の3割強、高卒の約4割が卒業後3年以内に離職

 厚生労働省がこのほど公表した新規学卒就職者の離職状況によると、2017年3月に卒業した大学卒業者の32.8%(前年比0.8ポイント増)、高校卒業者の39.5%(同0.3ポイント増)がそれぞれ卒業後3年以内に離職していることが明らかになった。大学卒業者は8年連続で離職率が30%台で推移、高校卒業者は3年連続で離職率が40%を割ったものの、厚労省では「依然として不本意な就職をした人が多数いる」とみている。

 大学・高校以外の新規学卒者の卒業後3年以内の離職率をみると、短大卒業者は43.0%(前年比1.0ポイント増)、中学卒業者は59.8%(同▲2.6ポイント減)だった。また、新規学卒者の卒業後1年以内の離職率は、「中学」36.5%、「高校」17.2%、「短大等」17.7%、「大学」11.6%となっており、卒業後3年以内に離職する人のうち、1年以内に離職する人が多いことがうかがえる。

 新規大学卒業者の卒業後3年以内の離職率を事業所規模別にみると、「5人未満」の56.1%から「1000人以上」の26.5%まで、規模が大きいほど低くなっている。また、産業別にみると、「宿泊業、飲食サービス業」(52.6%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(46.2%)、「教育、学習支援業」(45.6%)で高く、一方、「電気・ガス・熱供給・水道業」(11.4%)、「鉱業・採石業・砂利採取業」(14.0%)で低くなっている。

 また、新規高校卒業者の卒業後3年以内の離職率を事業所規模別にみると、新規大学卒業者と同様に、「5人未満」の63.0%から「1000人以上」の27.4%まで、規模が大きいほど低くなっている。また、産業別では、「宿泊業、飲食サービス業」(64.2%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(59.7%)、「教育、学習支援業」(55.8%)が高い一方、「電気・ガス・熱供給・水道業」(12.0%)、「鉱業・採石業・砂利採取業」(23.7%)で低くなっている。

 厚生労働省は、新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況が傾向としてここ数年は大きな変動が見られないことから、新卒応援ハローワークなどにおける相談・支援のほか、こうした新規学卒者の離職者を含めた求職者が、気軽に就職や転職の 質問・相談ができるよう、 平日の夜間と土日に、 電話とメールで利用できる無料の相談窓口「おしごとアドバイザー」を開設しており、引き続き支援を行っていくという。

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https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00003.html