高校入学~大学卒業に必要な入在学費用は965万円

 日本政策金融公庫が発表した「2020年度教育費負担の実態調査」結果(有効回答数4700人)によると、子供1人当たりの入学費用は、高校が36.5万円、高専・専修・各種学校が50.4万円、短大が60.4万円、大学が89.7万円となった。私立大学の入学費用は理系で94.2万円、文系で95.1万円、国公立大学の入学費用は77.0万円。国公立大学へ入学した場合は、入学しなかった私立大学等への納付金(14.8万円)の負担が大きくなっている。

 子供1人当たりの1年間の在学費用は、高校が69.9万円、高専・専修・各種学校が130.6万円、短大が158.3万円、大学が157.3万円。私立大学の1年間の在学費用は、理系で192.2万円、文系で152.1万円と、理系で国公立大学(115.0万円)のおよそ1.7倍、文系でおよそ1.5倍となった。この結果、高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用の合計は、965.1万円と、前回2019年度調査(939.1万円)より26万円増加した。

 世帯年収に占める在学費用(子供全員にかかる費用の合計)の割合は、平均15.9%となっており、前回調査より0.4ポイント低下。分布状況をみると、負担割合「10%以上20%未満」が33.9%と最も多くなっている。年収階層別にみると、年収が低い世帯ほど在学費用の負担は重くなっており、「200万円以上400万円未満」世帯の平均負担割合が31.7%となっており、前年と比較すると負担割合が5.8ポイント低下した。

 自宅外通学者のいる世帯の割合は、全体の27.4%を占めている。1世帯あたりの自宅外通学者数は、平均0.32人となり、地方ほど多く、都市部ほど少なくなる。自宅外通学者への仕送り額は、年間平均90.3万円(月額7.5万円)。また、(2020年4月の入学時に)自宅外通学を始めるためにかかった費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)は、入学者1人当たり平均39.3万円となっている。

 教育費の捻出方法(3つまで回答)については、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が29.5%と最多、以下、「子供(在学者本人)がアルバイトをしている」(21.5%)、「預貯金や保険などを取り崩している」(20.4%)、「奨学金を受けている」(18.6%)と続く。節約している支出(3つまで回答)としては、「外食費」が62.5%と最多、以下、「旅行・レジャー費」(62.3%)、「衣類の購入費」(41.6%)と続いている。

 同調査結果の詳細は↓

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf