東京商工リサーチが発表した「地方公共団体・中小企業等向け貸出金残高」調査結果によると、国内銀行109行の2020年3月期の総貸出金残高は476兆6224億円(前年同期比2.4%増)で、3月期では2012年同期から9年連続で伸びた。このうち、地方公共団体向け貸出は33兆5587億円(同6.4%増)で、調査開始の2010年同期以降、最高を記録。また、中小企業等向け貸出も326兆4355億円(同1.9%増)で、3月期では9年連続で伸びた。
2020年3月期の中小企業等向け貸出金残高は、9年連続で増加しが、総貸出金残高に占める中小企業等向け貸出の構成比は68.48%(前年同期68.83%)で、前年同期より0.35ポイント低下し、2年連続で前年同期を下回った。中小企業等向け貸出金残高が増加したのは97行(構成比88.9%)で、前年同期の100行から3行減少した。大手行は7行(前年同期6行)で、前年同期より1行増加した。
一方、地方銀行は56行(前年同期60行)で、4行減少。第二地銀は34行(同34行)で前年同期と同数だった。また、中小企業等向け貸出金残高の伸び率トップは、「福島銀行」の10.2%増。中小企業等向け貸出金は3970億円で、総貸出金に占める構成比は74.56%と、前年同期から3.40ポイント上昇。次いで、「あおぞら銀行」9.5%増、「百五銀行」7.7%増、「山陰合同銀行」7.1%増、「名古屋銀行」7.0%増と続く。
減少率は、不動産向け貸出が減少した「スルガ銀行」が14.3%減(4083億円減)で、最も減少幅が大きかった。以下、「東京スター銀行」3.9%減、「東日本銀行」3.5%減の順。中小企業等向け貸出金の構成比トップは、「スルガ銀行」の97.92%(前年同期98.40%)。以下、「関西みらい」銀行93.95%(同93.43%)、「南日本銀行」93.71%(同93.68%)、「静岡中央銀行」93.27%(同93.53%)、「神奈川銀行」91.90%(同91.35%)の順。
2020年3月期の地公体向け貸出金残高は33兆5587億円(前年同期比6.4%増)で、2011年同期から10年連続で増加し、過去最高を記録した。109行のうち、地公体向け貸出金残高が前年同期を上回ったのは56行(構成比51.3%)で、前年同期から10行増加。総貸出金残高のうち、地公体向け構成比は7.04%を占め、前年同期の6.77%を0.27ポイント上回り、調査を開始した2010年同期以降、7%台に乗せたのは初めて。
同調査結果は↓