企業の75.5%が新型コロナ契機にデジタル施策を推進

 帝国データバンクが発表した「新型コロナ感染症に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万2000社)によると、新型コロナ感染症による自社の業績への影響は、「(既に+今後)マイナスの影響がある」と見込む企業は82.5%となり、4ヵ月連続で減少した。内訳をみると、「既にマイナスの影響」(68.0%)が7割近くの一方、「今後マイナスの影響」(14.4%)は3ヵ月連続で1割台となり、先行きに対する不透明感は和らぎつつある。

 「マイナスの影響がある」と見込む企業を業界別にみると、「運輸・倉庫」が86.9%でトップ。以下、「製造」(85.8%)、「不動産」(84.4%)、「卸売」(84.0%)が続いた。さらに、業種別にみると、「旅館・ホテル」が100%、次いで、「飲食店」(93.7%)、「家具類小売」(93.3%)、「輸送用機械・器具製造」(92.5%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(92.3%)が並んだ。

 一方、「プラスの影響がある」と見込む企業を業界別にみると、「小売」が11.7%で最も高く、次いで、「金融」(6.7%)、「農・林・水産」、「卸売」(ともに4.7%)が続く。さらに、業種別にみると、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が38.3%で、2ヵ月連続で4割近くにのぼった。次いで、インターネット接続業などの「電気通信」(22.2%)や「飲食料品小売」(20.3%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(16.7%)が上位に並んだ。

 また、新型コロナウイルスを契機として、自社のデジタル施策に「取り組んでいる」企業は75.5%と、4社に3社にのぼった。他方、「取り組んでいない」企業は19.7%となった。デジタル施策の取組み内容(複数回答)は、「オンライン会議設備の導入」が60.8%でトップ。次いで、「テレワークなどリモート設備導入」(52.7%)、「ペーパーレス化の推進」(36.2%)、「SNSを活用した情報発信」(16.7%)などが上位となった。

 規模別にみると、「取り組んでいる」企業は、「大企業」で88.6%と9割近くに達した一方、「中小企業」は72.7%、「小規模企業」は63.0%となった。特に「小規模企業」では「大企業」を25.6ポイント下回っており、企業規模によってデジタル施策への取組みに差がみられた。取り組み内容では、「大企業」は、「オンライン会議設備の導入」が8割近くにのぼったほか、リモート設備の導入やペーパーレス化なども推進している。

 同調査結果は↓

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p200903.pdf