高校卒就職の11.8%が“半年未満”で離職する問題

 若手のキャリアにおける「七五三」現象をご存知だろうか。リクルートワークス研究所が発表したデータから見る高校卒就職の課題と展望によると、学卒後就職して3年以内に退職する割合、すなわち「早期離職率」が中学卒で70%、高校卒で50%、大学卒で30%あるという状況で、大学卒と比較して高校卒が高い傾向にある。ここでは、早期離職の中でも特に極めて早期の離職、「超早期離職」を就職後6ヵ月未満の離職と定義する。

 この超早期離職者がどの程度存在しているのかについて最新のデータ(同研究所の「全国就業実態パネル調査2020)によると、全体としては3年以内に離職する者のうち、5.2%が1ヵ月未満、9.9%が1ヵ月以上3ヵ月未満で離職しており、更に10.8%が3ヵ月以上6ヵ月未満で離職している。合わせて、25.9%と3年以内に離職する者のうち4分の1以上が半年未満に離職している「超早期離職者」であることになる。

 学歴別に見た場合、高校卒者の高さが際立っている。合わせると3年以内に離職した高校卒者のうち実に30.1%が超早期離職者であり、これは短大等卒の24.0%、大学卒の23.4%と比較して高い水準にある。「早期離職」と括られてきた若手の中で、半年未満という極めて早いタイミングで離職する者が一定数おり、またその割合において高校卒が高いことは押さえる必要がある。

 さらに、厚生労働省が出している3年以内離職率のデータに、上記の結果を組み合わせることで高校卒就職者全体における状況の推計が可能となる。初職で正規社員等に就職している者のうち、どの程度が半年未満で離職しているのだろうか。結果としては高校卒就職者のうち11.8%だった。高校卒就職者では合わせて11.8%、短大等卒10.1%、大学卒では7.5%となっている。

 つまり、高校卒就職者のうち、実に「8人に1人」が「半年未満で」入った会社を離職しているという事実が明らかになった。さらに言えば、7.4%、「13人に1人」は「3ヵ月未満」で離職している。こうした極めて早い段階でミスマッチが起こっているという事実を、卒業後の高校生の実際の姿として我々は知る必要がある。果たして、本当にこの早すぎる決定的なミスマッチを回避することはできなかったのであろうか。

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