2020年分の路線価は7月1日11時からの公表予定

 国税庁は27日、2020年分の路線価を7月1日(月)11時から全国の国税局・税務署で公表する予定であることを公表した。路線価は、相続税や贈与税における土地等の評価額算定の際の基準となるもの。昨年7月に公表された2019年分の路線価では、標準宅地の前年比の変動率の平均が前年比1.4%増となり、4年連続で上昇している。路線価は、1月1日を評価時点に、公示価格の8割程度が目安とされている。

 その今年1月1日時点の公示地価は、国土交通省が今年3月に公表したが、商業・工業・住宅の全用途(全国)で1.4%のプラスと5年連続で上昇、住宅地は0.8%、商業地は3.1%上昇。地方圏の地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)以外のその他地域でも、全用途平均・商業地が1992年以来28年ぶりに上昇に転じ、全国的に地価の回復傾向が広がっている。こうした公示地価の状況から、路線価も5年連続で上昇することが確実視されている。

 ところで、この路線価の公表日は、古くは8月1日だったが、2008年分から7月1日と1ヵ月も早まった。相続税申告に必要な路線価の公表が早くなることは納税者にとって歓迎すべきことだが、一方で、同年分からは紙による路線価図等(冊子)を国税局・税務署に備え付けないことになった。公表日が1ヵ月短縮された理由は、冊子での路線価図等の制作をやめたことで、その作業時間分が浮いたことにあった。

 公表日の短縮で納税者の利便性も向上したが、国税当局も、IT化、ペーパレス化によって大きなコスト削減ができたわけだ。2008年以降、国税局や税務署の窓口には、路線価図等閲覧用のパソコンが設置されている。混雑時は待つ必要も出てくるが、自宅や会社のパソコンから国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」にアクセスすれば、従来どおり、全国の過去7年分の路線価図等を見ることができる。

 なお、国税庁では、路線価公開初日から数日間は、アクセス集中により閲覧しにくい状態となることがあるので注意してほしいと呼びかけている。また、路線価図等の見方等が分からない場合には、「国税に関するご相談について」を閲覧の上、最寄りの税務署に電話をかけて、自動音声に従って「1」を選択すれば電話相談センターにつながることの周知に努めている。

 国税庁ホームページの路線価の閲覧は↓

http://www.rosenka.nta.go.jp/