2020年度の国税専門官採用試験は延期に~人事院

人事院はこのほど、6月7日に実施を予定していた2020年度国税専門官採用試験の第1次試験の延期を公表した。新型コロナウイルス感染症に係る状況を踏まえ判断した。延期後の試験日程は未定で、決まり次第、人事院HP等に掲載する。大学卒業程度を対象とする国税専門官採用試験は、第1次試験・第2次試験・最終合格者発表の試験日程が決まっているが、第1次試験の延期により、当然、その後の試験日程も変更することも予想される。

 現在、国税職員の新規採用は、国税専門官採用試験と高校卒業程度を対象とする税務職員採用試験による採用者が大半を占めている。国税専門官採用者数は、2013年度以降約1000人から1200人程度で推移しているが、2020年度は1350人と大幅な採用者増を予定している。採用枠の拡大は受験者にとってチャンスだが、新型コロナウイルス感染拡大による試験実施への影響が懸念されていた。

 人事院では、新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を踏まえ、2020年度国家公務員採用総合職試験の第1次試験の実施を4月26日から5月24日に延期したが、さらに再延期としている。税務職員採用試験については6月22日~7月1日まで受け付け、第1次試験が9月6日で合格者発表が10月8日、第2次試験が同月14日~23日の間の指定する日に行われ、最終合格者発表を11月17日とする試験日程が公表されている。

 5月25日には、新型コロナウイルス感染症の新規感染者の減少等により、感染拡大防止のために実施されていた緊急事態宣言が全面解除された。こうした最近の新型コロナウイルス国内感染者数の減少傾向をみると、秋以降となる税務職員採用試験の実施日程には影響しないとも思われるものの、第2波、第3波の新型コロナウイルス感染症の感染の発生、拡大の可能性も否定できず、予断を許さない状況にある。