全上場企業の4割超で新型コロナの具体的影響及ぶ

 帝国データバンクがこのほど発表した「新型コロナウイルス感染症の上場企業への影響・対応動向調査」結果で判明した、新型コロナウイルス感染症により工場や店舗などの休業、防疫措置など、何らかの影響を受けた上場企業は、昨年12月~4月17日時点までに1602社判明した。前回調査時(3月31日)から560社が新たに判明し、全上場企業(3778社)の42.4%と4割超で新型コロナによる影響が明らかになった。

 何らかの影響を受けた企業を業種別にみると、「製造」(535社、前回比+166社)が社数、前回調査からの増加社数ともに最大。次いで「サービス」(398社、同+142社)、「小売」(241社、同+92社)と続く。前回調査からの増加率が最も大きいのは「金融・保険」(55社、前回比+29社)で2.1倍に増加。次いで、ゼネコンなど「建設」(41社、同+20社)が2.0倍増となった。

 影響を受けた約1602社のうち、具体的な影響も含め業績へのマイナス影響に言及した上場企業は計700社(前回比+265社)で、前回調査時から2週間で大幅に増加。このうち、「影響の懸念がある」など影響不確定は335社(同+95社)で、前回調査から39.6%増。月次の客足や販売量の減少、下方修正などで既に業績への影響が出た・今後出る見通しなど影響ありの企業は365社(同+170社)で、同87.2%増と2倍に迫る急増ペースだった。

 工場等で生産調整や稼働停止といった、生産活動に影響が出た企業は137社(前回比+22社)。各国の外出自粛や従業員の感染、国内外の需要急減などを受け、完成車メーカーなどで工場の操業停止といった措置を余儀なくされた企業が多くみられた。店舗や拠点の営業休止、営業時間短縮対応など営業活動に影響が出た企業は360社(前回比+194社)判明。前回調査から2倍超の増加となり、増加率は「従業員の感染」に次いで大きかった。

 自社や関連会社などで従業員の感染が判明した企業は278社(前回比+186社)判明。3月末から202.2%増と3倍の増加率となり、他の影響・対応区分の中で最大だった。小売やサービスのほか、在宅勤務などが難しい建設や製造などの業種で、従業員が感染するケースが急増したことが大きな押し上げ要因となった。テレワークの導入など働き方の変更を表明した企業は判明分で458社(同+189社)にのぼった。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p200412.pdf