社員への兼業・副業認める企業が30.9%と3割越え

 リクルートキャリアがこのほど発表した「兼業・副業に対する企業の意識調査」結果(有効回答数3514人)によると、社員への兼業・副業について認めている企業(推進+容認)は30.9%と、2018年度調査の28.8%より2.1ポイント上昇した。業種別では、その他業種を除くと、「サービス業」が38.6%で最も高く、次いで「運輸業情報通信業」(34.5%)となった。従業員規模別では、「10~49人」の企業が43.3%と最も高かった。

 人手確保が経営に大きな影響を与えるなど、熾烈な人材争奪戦が展開される業種では比較的推進・容認が進んでいるとみられている。また、兼業・副業の導入をしている企業の導入理由や背景(複数回答)については、「社員の収入増につながるため」(40.8%)、「特に禁止する理由がないから」(40.7%)、「人材育成・本人のスキル向上につながるため」(30.4%)、「社員の離職防止につながるため」(27.6%)が上位となった。

 兼業・副業のルールや施策(複数回答)では、「人事部や上司、産業医に、定期的に報告する必要がある」が前年度調査比-4.7ポイントの12.6%と最も低下し、次いで「ルールに違反した場合は、懲戒解雇、減給などの罰則規定がある」が-3.0ポイントの15.7%。一方で、「申請して、許可を得る必要がある」が+3.8ポイントの31.9%と最も上昇し、次いで「人事部や上司、産業医と、事前に面談する必要がある」が+2.7ポイントの16.5%だった。

 兼業・副業を容認している企業のうち、「今後推奨レベルまで引き上げていく可能性がある」と回答している企業は42.2%で、前年度調査よりも8.1ポイント上昇。業種別では、「サービス業」が全体平均よりも高く、50.0%が「推奨の可能性あり」と回答。次いで「建設業」での「推奨の可能性あり」が46.9%となっている。「推奨の可能性あり」は、「推奨する可能性が、かなりある」と「推奨する可能性が、ややある」を合計したもの。

 兼業・副業の導入による効果では、「人材採用への効果があった」と回答した企業は29.8%で2018年度調査より5.0ポイント増加。「社員の離職防止・エンゲージメント向上への効果があった」は35.6%で同4.3ポイント上昇。人材育成の観点からの効果としては、「人材育成への効果」は38.3%で同2.8ポイント低下したが、 「いまのところ効果はないが、期待している」が32.1%で同6.4ポイント上昇した。

 同調査結果は↓

https://www.recruitcareer.co.jp/news/20200324fk7so.pdf