国税関係の書類に関する添付書類の省略化が進みそうだ。2019年12月16日に、「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律」(2019年法律第16号)が施行された。これにより、行政機関等は添付書類の省略等を推進することとされている。
国税庁も同法施行を機に一層の添付書類省略に向けた取組みを進めていくとしている。国税当局は、これまでも添付書類の省略に取り組んできた。2019年においても、納税者の利便性向上を図る観点から、国税当局が他の添付書類や行政機関間の情報連携等で記載事項の確認を行うことにより、4月1日以後に提出する一部の申告・届出等については、住民票の写し等の各種書類の添付が不要となっている。
国税庁が現在進めている添付書類の省略に向けた具体的な取組みでは、まず、住民票の添付省略がある。2020年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続時精算課税選択届出書と、2021年1月以降に添付書類の省略を予定している酒類の製造免許申請、酒母又はもろみの製造免許の申請、酒類の販売業免許の申請、酒類の販売代理・媒介業免許の申請など、酒類関係の手続きに際して添付が省略できるようになる。
次に登記事項証明書(商業・法人登記及び不動産登記)の添付省略がある。2020年度以降に予定する法務省との登記情報連携の運用開始に合わせて、添付書類省略の検討が進められている。なお、登記事項証明書の添付に代えて、照会番号(登記情報提供サービスページ)の提出も可能だ。照会番号は、行政機関等が登記所から登記情報の提供を受けるために必要な情報で、一つの登記情報ごとに発番され、発行年月日と10ケタの数字から成る。