来年20年の「周年記念企業」、全国に15万7507社

 帝国データバンクがこのほど発表した「2020年の周年記念企業調査」結果によると、来る2020年に創業から節目の年となる「周年記念」を迎える企業は、全国に15万7507社を数え、このうち1970年(昭和45年)に創業し「50周年」を迎える企業が2万5870社で最多となった。調査は、2019年10月時点の企業概要データベース(約147万社収録) から、創業年以降10年刻み(200周年超は50年刻み)で抽出し、集計したもの。

 また、1920年(大正9年)創業の「100周年」は1176社、1820年(文政3年)創業の「200周年」は13社、1720年(享保5年)創業の「300周年」は7社判明した。創業10、30、50、100周年企業の社数を業種別にみると、10周年では「サービス業」が7377社(構成比34.6%)、30周年と50周年では「建設業」がともに構成比30%を超え最多。100周年では「製造業」が287社(同24.4%)で、それぞれ最多となった。

 上場企業は420社判明し、1950年(昭和25年)創業の「70周年」が88社で最多。2000年(平成12年)創業の「20周年」が72社でこれに続く。主な周年企業をみると、創業から400周年を迎える「虎屋本舗」(広島県福山市)は、兵庫で廻船問屋を営んでいた初代高田宗樹氏が、1620年(元和6年)に 菓子匠として「高田屋」を創業したことが始まり。現在でもユニークなスイーツを製造するなど、時代の流れに対応しながら16代続いている。

 1920年(大正9年)に創業し100周年を迎える企業には、デザイン性に優れた自動車メーカーとして国内外から高い評価を得ている「マツダ」(広島県安芸郡)、自動車のヘッドランプをはじめ電子機器を製造する「スタンレー電気」(東京都目黒区)、関東中心に総合スーパーを展開している「イトーヨーカ堂」(東京都 千代田区)、給湯器やガスコンロなどを製造する「リンナイ」(名古屋市中川区)などが名を連ねる。

 帝国データバンクでは、「長い間企業を存続・発展させていくのは容易ではない。周年記念事業は会社の記念日を華々しく祝うだけでなく、自社ブランドのイメージ向上や新たなプロモーションの機会でもある。さらには創業当時からの歴史を再確認することで原点に立ち返ることや、この区切りを転換期と位置づけ、事業戦略や方針を見直す企業もあるかもしれない」として、周年を迎える企業が今後さらなる発展を遂げることを期待している。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p191106.pdf