18年度パチンコ関連機器市場は▲10.7%の7660億円

 矢野経済研究所がこのほど発表した「国内のパチンコ関連機器市場調査」結果によると、2018年度のパチンコ関連機器の市場規模は7660億円(メーカー売上金額ベース)となり、前年度比で▲10.7%、914億円のマイナスとなった。大分類別では、パチンコ機の市場規模は5039億円(前年度比▲2.3%)、パチスロ機は1684億円(同▲30.8%)、周辺設備機器は935億円(同▲4.7%)となり、2017年度に続きパチスロ機市場が大幅減となった。

 パチンコ機市場は前年度比で微減となったが、ホールにおいて旧規則パチンコ機(2018年2月の遊技機規則改正以前の遊技機)が設置されている環境において、新規則パチンコ機(同改正以降の遊技機)の稼働実績は低調になる傾向にあり、その結果、遊技機1機種あたりの販売台数も低下している。また、新たな規則で認められた“設定付パチンコ機”に少なからず期待が集まったが、現時点では市場回復の起爆剤とはなっていない。

 一方、パチスロ機市場は2017年度に引き続き大幅な縮小となった。2018年2月の規則改正に先立って、遊技機メーカー組合での自主規制によって射幸性を抑制させた5.9号機の稼働状況が著しく低迷した点、遊技機メーカーの機種販売自体が滞った点が影響したが、ホールでのパチスロ営業がパチンコ営業以上に旧規則機への依存度が高く、新規則パチスロ機への移行が進まなかった点も要因として大きい。

 周辺設備機器市場は、2000年代には2500億円程の市場規模があったが2ヵ年度連続で1000億円の大台を割っている。主な需要の契機となるパチンコホールの新規出店の件数が年々減少しているだけでなく、2021年1月まではパチンコホール経営企業の投資が遊技機の入替えに集中することから、2019年度以降も厳しい環境が続くとみている。

 2019年9月の現時点では、2021年1月末までに旧規則の遊技機は全て新規則機へと入れ替える必要があるが、新規則機への移行は思うように進んでいない。期限までに入替えが進まない場合は、前回2004年の規則改正を受けての旧規則機撤去でも起こった設置台数の減台・間引きなどによる対応が必要となり、それによって店舗稼働が少なからず低下する。移行期限まであと1年少々を残すのみとなった現在、その実現性が懸念されている。

 同調査結果は↓

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2251