全国間税会総連合会(大谷信義会長)は今月9日、「2020年度税制及び執行に関する要望書(間接税関係)」を財務省と国税庁に提出している。その中で、社会保障・税一体改革の推進と行財政構造の徹底した見直しを求めるとともに、消費税については、社会保障・税一体改革による税率引上げにより、最も大きな基幹税となることから、公平で合理的な制度を構築し、安定した税制にすべきことを要望した。
その上で、消費税の逆進性に関する全間連の考え方を付記。消費税はそもそも消費に対し比例的な負担を求める性格の税であることや、軽減税率制度には問題があることから、消費税の税率は単一税率が望ましいことや、逆進性対策の低所得者への負担緩和措置は、所得税等における「給付付き税額控除制度(還付制度)」又は消費税率が5%から8%に引き上げられた際に実施された「簡素な給付措置の拡充」により対処すべきとの考えを示した。
また、軽減税率の対象について、対象範囲は極力限定すべきであり、低所得者の負担緩和と関連性が極めて乏しい「新聞」は、その対象から除外すべきことや、軽減税率導入後の仕入税額控除の仕組みについては、軽減税率制度の導入後5年目から導入することとされている「適格請求書等保存方式」はわが国の社会経済構造に馴染まないとして、請求書等保存方式を維持した「区分記載請求書等保存方式」で対処することを要望した。
さらに、軽減税率導入による複数税率制度の下でも、中小事業者の事務負担を考慮している「簡易課税制度」については、できるだけ簡素な制度を維持すべきことや、消費税率の引上げに伴い、滞納残高が増加することが懸念されるため、納税資金の事業資金化を防ぎ、滞納の未然防止を図る観点から、任意の中間申告制度を年1回だけではなく、四半期又は毎月納付が可能となるよう制度を改組すべきことを求めた。
中間申告制度についても、滞納未然防止等の観点から、制度の基準について全体的な引下げを検討すべきことを要望。そのほか、現行の総額表示義務に関する消費税法の特例措置は、事業者の値札の貼り換えなどの事務負担に配慮する観点から、特例として導入されたものだから、2021年3月末の期限到来に伴い廃止し、その後の対消費者へ販売する場合の価格表示については、消費税法に規定する税込価格を表示する総額表示に戻すべきとした。
全間連の「2020年度税制及び執行に関する要望書」は↓
http://www.kanzeikai.jp/img/f_users/r_682316icon20190823115250.pdf