苦情・クレームを受けたことのある都内企業は約3割

 東京都産業労働局がこのほど発表した「中小企業における消費者等からの苦情対応に関する実態調査」結果(有効回答数2228社)によると、消費者や取引先企業(販売・提供先)からこれまでに苦情・クレームを受けたことの有無は、「ない」が70.3%、「ある」が29.7%と約3割だった。業種別にみると、「ある」が最も高いのは「小売業」で39.5%、次いで「製造業」が33.1%、「サービス業」が26.3%の順だった。

 これまで受けた消費者からの苦情・クレームの内容(複数回答)は、「品質」が40.8%で最も高く、次いで「接客」が34.1%、「サービス」が33.4%の順。従業者規模別でみると、「6人以上」では「接客」が46.3%~54.5%を占め、「21人以上」では、「サービス」が47.1%~54.5%を占める。さらに「51人以上」では「品質」が63.6%と6割を超えるなど、従業者規模が大きくなるほど苦情・クレームの内容が広範囲に及ぶ。

 苦情・クレームを受けた企業の悪質(迷惑)クレーム(顧客や取引先からの著しい迷惑行為)の有無は、「ない」が59.8%、「ある」が35.6%。業種別でみると、全ての業種で「ない」が最も高く、「製造業」では78.0%、「小売業」では55.6%、サービス業では59.4%を占める。一方、「ある」は「小売業」が37.6%と最も高い。従業者規模別では、「5人以下」の「ある」が3割程度に対し、「51人以上」では5割程度を占める。

 悪質(迷惑)クレームを受けた先は、「消費者」が68.6%で最も高く、次いで「消費者及び取引先企業(販売・提供先)」が28.8%、「取引先企業(販売・提供先)」が2.5%の順。業種別でみると、「製造業」では「消費者」及び「消費者及び取引先企業(販売・提供先)」が最も高く、それぞれ46.2%。「小売業」と「サービス業」では「消費者」が最も高く、それぞれ76.1%、67.1%だった。

 消費者による悪質(迷惑)クレームで被った損害・被害内容(複数回答)は、「風評被害」が23.0%で、「生産性低下」17.8%、「売上減少」17.4%、「賠償負担」14.3%と続いている。業種別にみると、「製造業」では、「生産性低下」、「賠償負担」が各16.7%で最も高く、「小売業」では、「風評被害」が21.1%、「生産性低下」、「売上減少」が各19.7%。「サービス業」では「風評被害」が26.2%、「生産性低下」、「売上減少」が各17.0%となった。

 同調査結果は↓

http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/docs/H30_akushitsukure-mu.pdf