焼酎メーカー売上高、「霧島酒造」が7年連続でトップ

 帝国データバンクが発表した「焼酎メーカー売上高ランキング」によると、全国の焼酎メーカーの2018年の売上高ランキングは、7年連続で「霧島酒造(株)」(宮崎県都城市)がトップとなった。「黒霧島」を主体に、ロングセラー「霧島」をリニューアルした「白霧島」、2018 年から通年販売になった「赤霧島」などを展開。志比田第二増設工場が竣工し稼動したものの、他飲料の競合に加え、九州以外での売上が伸び悩み、全体を押し下げた。

 2位は7年連続で「三和酒類(株)」(大分県宇佐市)がキープ。“下町のナポレオン”の愛称で知られる「いいちこ」シリーズを主体に、地元大分県産の麦を使用した「西の星」ブランドを展開。関東・関西・中部などの大都市圏をはじめ、北米やアジアなど世界各国・地域に販路を構築している。関東エリア中心に拡販を進めたが、減収を余儀なくされた。3位は「オエノンホールディングス(株)」(東京都中央区)。

 トップ10 の顔ぶれは前年と変わらないが、7社が減収となった。順位は、前年9位の高橋酒造(株)(熊本県人吉市)と同10 位の本坊酒造(株)(鹿児島市)が入れ替わった。2018年の上位50社の売上高合計は、前年比2.9%減の2747億700万円と、2年連続で減少。ピーク時の2008年(3090億1300万円)から11.1%減少し、2005年以降の最少となった。全体としては、ワインやウイスキー、リキュール類との競合から苦戦が続いている。

 売上動向をみると、「増収」企業が18社(前年18社)だったのに対し、「減収」が28社(同29社)にのぼった。「横ばい」は4社(同3社)。依然として6割近くの焼酎メーカーが減収を余儀なくされており、焼酎ブームの収束と、その後のハイボールブームやRTD・低アルコール飲料の台頭などの影響を受けている様子がわかる。「減収」企業の増加は、売上高規模を問わない業界全体の課題となっている。

 税引き後当期純利益が判明した41 社のうち、「赤字」企業は7社、構成比は17.1%にのぼった。この7社のうち、2年連続減収となった企業が4社を占めている。売上高が伸び悩むなか、「原材料や資材、運送費の値上がりを販売価格に転嫁できなかった点が共通項として浮上。2018年以降、人手不足にともなう運送費の値上がりが続いている。酒類は重量物であり、当面、焼酎メーカーの経営を圧迫する大きな要因となる公算が大きい。

 同調査結果は↓

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s190801_80.pdf