18年度の不適切な会計・経理の開示上場企業は50社

 東京商工リサーチがこのほど発表した「2018年度全上場企業の不適切な会計・経理の開示企業調査」結果によると、2018年度に不適切会計を開示した上場企業は50社で、過去最多の2017年度の64社から14社(21.8%)減少した。開示企業数の減少は、2016年度以来、2年ぶり。ただ、2018年度の50社は2015年度の60社に次ぎ過去3番目に多く、依然として高水準が続いている。

 開示企業数が減少したのは、2015年5月に発覚した東芝の不適切会計問題以降、開示資料の信頼性確保や企業のガバナンス強化の取組みを求める声が浸透し、東証などの証券取引所や監査法人が各企業により厳しいコーポレート・ガバナンスを求めていることも背景にある。だが、会計処理の高度化や現場の人手不足などを背景に、不適切会計に陥る企業は今後も高水準で推移する可能性があるとみられている。

 内容別では、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が22社(構成比44.0%)で最多。次いで、「売上の前倒し計上」や「実在性に疑義のある取引」など、営業ノルマの達成を推測させる「粉飾」が18社(同36.0%)と続く。子会社・関係会社の役員や従業員による「着服横領」は10社(同20.0%)で、「会社資金の私的流用」、「不正発注による着服」など、個人の不祥事についても監査法人は厳格な監査を求めている。

 発生当事者別では、最多は「会社」で26社(構成比52.0%)と半数を占めた。会計処理手続きの誤りや事業部門で売上の前倒し計上などのケースもあった。「子会社・関係会社」は12社(同24.0%)で、2017年度の30社から18社減と大幅に減少。2017年度は中国など海外子会社による売上原価の過少計上や架空取引など、見せかけの売上増や利益捻出のための不正経理が多かったが、2018年度は大きく減少した。

 市場別では、「東証1部」が28社(構成比56.0%)で最多。次いで、「ジャスダック」が10社(同20.0%)、「東証2部」が9社と続く。また、産業別では、「製造業」の15社(同30.0%)が最多。製造業は、国内外の子会社、関連会社による製造や販売管理の体制不備に起因するものが多い。「運輸・情報通信業」は9社で、元役員が発注金額の一部をキックバックさせていた不正や子会社で不適切な請求を行っていたケースなどが目立った。

 同調査結果は↓

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190520_01.html