セルフ・キャリアドック導入支援拠点を5ヵ所に開設

 厚生労働省では、2018年度から企業の「セルフ・キャリアドック」の導入を無料で支援する拠点を設置し、支援を行っているが、2019年度は、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5か所に拠点を開設したことを公表した。セルフ・キャリアドック普及拡大加速化事業では、専門の導入キャリアコンサルタントが企業を訪問し、キャリア形成支援に関わる問題・課題の解決をサポートする。相談・利用は無料。

 「セルフ・キャリアドック」とは、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に実施することを通して、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組み。従業員の仕事に対するモチベーションアップや定着率の向上などにより、企業の生産性向上にも寄与することが期待されている。

 今回設置した5ヵ所の拠点に、企業内の人材育成・キャリア形成に精通した専門の導入キャリアコンサルタントを配置し、セルフ・キャリアドックの導入を検討する企業の状況や要望に応じてアドバイスを行うなどの支援を行う。また、企業内でキャリアコンサルティングの機会を得ることが難しいケースでの、仕事や将来のキャリアに関する相談にも、専門のキャリアコンサルタントが応じる。

 IT化の進展や国際競争の激化といった経済社会環境の変化に企業が先手を打って対応していくためには、従業員一人ひとりが社会や組織の変化を先取りし、持てる力を最大限に発揮していくことが重要となる。そのために、従業員が自ら主体的にキャリアを考え構築することを支援する必要がある。セルフ・キャリアドックを組織の仕組みとして導入することで、従業員、企業双方に大きな効果が期待できる。

 従業員にとっては、仕事に対するモチベーションや自らのキャリア意識の向上とキャリア充実が、また、企業にとっては、人材の定着や生産性向上を通じた組織の活性化といった効果が期待できる。若手社員の定着率がよくない、中堅社員のモチベーションが下がっている、部下の育成に困っている、育児・介護休業明けの処遇に悩んでいる、など困っていることがあれば、ぜひ相談することをお勧めしたい。

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https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212450_00001.html