2019年度税制改正において、地域未来投資促進税制は、強化措置を講じた上で、適用期限が2021年3月31日まで2年延長される。2017年度税制改正で創設された同税制は、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、地域経済を牽引する事業を促進し、地域の成長発展の基盤強化を図るため、事業者等が作成する当該事業に係る計画を承認し、計画に係る事業を支援する。
今回の改正では、承認地域経済牽引事業について主務大臣の確認を受ける事業年度の前事業年度の付加価値額がその確認を受ける事業年度の前々事業年度の付加価値額より8%以上増加していることとの要件を満たす場合には、その承認地域経済牽引事業の用に供した機械装置及び器具備品について、特別償却率を50%(現行40%)に、税額控除率を5%(現行4%)に、それぞれ引き上げる。
また、承認地域経済牽引事業の実施場所が2017年7月31日以前に発生した特定非常災害により生産活動の基盤に著しい被害を受けた地区である場合において、その計画承認日が特定非常災害発生日から5年(現行3年)を経過していないときは、その承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件のうち先進性に係る要件を満たすものとする。適用投資額の上限は80億円(現行100億円)に引き下げる。
地域未来投資促進税制の前提となる地域未来投資促進法は、3年間で約2000社程度の支援の実施を目指しているが、経済産業省によると、2017年7月31日の施行後、都道府県及び市町村が策定した基本計画に基づき、2018年12月4日までに合計1121件の地域経済牽引事業計画(計1436事業者)が承認され、地域未来投資促進税制等を活用した具体的なプロジェクトが動き始めているという。 地域経済牽引事業計画において事業者が希望する支援措置は、(1) 地域未来投資促進税制:822計画(うち、課税特例の適用に関する主務大臣の確認件数557件)、(2)自治体による固定資産税の減免措置:449計画、(3)ものづくり補助金との連携:125計画、(4)地域中核企業・中小企業等連携支援事業との連携:93計画、(5)地方創生推進交付金を活用した支援:77計画、(6)サポイン補助金との連携:10計画など、税制の活用ニーズが多い。