東証一部上場企業の社長報酬総額中央値は5552万円

 デロイトトーマツコンサルティング合同会社がこのほど発表した「役員報酬サーベイ(2018年度版)調査」結果(有効回答数659社)によると、東証一部上場企業431社における報酬総額の水準は、中央値で「会長」が5976万円、「社長」5552万円、「副社長」4829万円、「専務」3843万円、「常務」3120万円、「取締役」2160万円、「執行役員」2010万円、「社外取締役(グループ会社外から招聘)」756万円となった。

 インセンティブ報酬については、短期インセンティブ報酬を採用している企業の割合は70%(462社)あり、採用している短期インセンティブ報酬の種類は、前年の業績等に応じて翌年の定期同額給与に反映する「変動報酬の固定報酬化」が33%、「事前確定届出給与」が13%、「業績連動給与」が21%、「損金不算入型の賞与」は54%となった。前年比で、「損金不算入型の賞与」を導入している企業の割合が3ポイント増加した。

 株式関連報酬(長期インセンティブ報酬)を採用している企業の割合は45%(296社)あり、その中で採用している長期インセンティブ報酬の種類は、「ストックオプション」が35%、「株式交付信託(信託の設定による株式付与)」が28%、権利行使価格が極めて低い価格(1円等)に設定されている「株式報酬型ストックオプション」が27%、「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」が14%となった。

 株式関連報酬はいずれの種類も今後導入を検討する回答があり、特に「譲渡制限付株式」(現在導入中42社→今後導入165社)、「株式交付信託」(同83社→105社)、「パフォーマンスシェア」(同10社→58社)の導入が進むと見込まれる。また、役員評価制度の導入企業は回答企業659社の20%だが、明確な評価制度はないものの、何らかの評価制度が存在している企業は32%で、合わせて半数超の企業において何らかの評価を実施している。

 なお、社長の短期インセンティブ報酬に関連付けられる経営指標は、「営業利益」(49%)、「売上高」(43%)、「当期利益又は税引前利益」(42%)、「経常利益」(31%)と、規模・収益性の指標が多く用いられている。また、社長の長期インセンティブ報酬に関連付けられる経営指標は、「売上高」(33%)、「当期利益又は税引前利益」(31%)「営業利益」(26%)、「経常利益」(22%)と、売上高及び利益が指標として多く用いられている。

 同調査結果は↓
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/about-deloitte/news-releases/jp-nr-nr20181120.pdf