環境省、税制全体・車体課税のグリーン化等を要望

 環境省は、2019年度税制改正に向けて、要望事項に、税制全体のグリーン化の推進や車体課税のグリーン化などを盛り込んでいる。同省は、2018年4月17日に閣議決定された第5次環境基本計画に基づき、企業や国民一人ひとりを含む多様な主体の行動に環境配慮を織り込み、環境保全のための行動を一層促進するために、幅広い環境分野において税制全体のグリーン化を推進するとの考えを示している。

 具体的には、地球温暖化対策及び自動車環境対策を掲げ、地球温暖化対策としては、2012年10月から施行されている「地球温暖化対策のための税」を着実に実施し、省エネルギー対策、再生可能エネルギー普及、化石燃料のクリーン化・効率化などのエネルギー起源二酸化炭素排出抑制の諸施策に充当。また、揮発油税等について、グリーン化の観点から「当分の間税率」を維持し、その税収を地球温暖化対策等に優先的に充当することを求めた。

 自動車環境対策としては、地球温暖化対策・公害対策の一層の推進、汚染者負担の性格を踏まえた公害健康被害補償のための安定財源確保の観点から、エコカー減税対象車の重点化等を検討する等、車体課税の一層のグリーン化の推進を要望。税制全体のグリーン化は、税制を環境負荷に応じたものとすることで、環境負荷の抑制に向けた経済的インセンティブを働かせるなど、持続可能な社会を実現する上で有効な政策ツールと主張した。

 車体課税のグリー化では、環境性能のより優れた自動車の普及促進、地球温暖化・公害対策の一層の推進、汚染者負担による公害健康被害補償のための安定的財源確保の観点から要望。まず、エコカー減税について、基本構造の恒久化を図ることや、また、環境負荷に応じて適切にインセンティブが付与されるよう、現状のエコカー減税対象車の割合等を踏まえ、減税対象車の重点化等を検討するなど、一層のグリーン化を図ることを求めた。

 次に、汚染者負担の原則に基づく補償給付費用等の財源の安定的な確保を図るため、引き続き、自動車重量税から引き当てることを要望。現在においても、大気汚染に起因する疾病に苦しんでいる認定患者は約3.3万人存在し、認定患者の健康被害の回復、生活の安定において、補償給付は重要な役割を担っているため、財源の安定的な確保を図るためには、引き続き、自動車重量税から引き当てることが必要との要望理由を示している。

 環境省の税制改正要望は↓
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2019/request/env/index.htm