大きく揺らいでいる8月の消費者心理~リサーチ総研

 リサーチ総研が消費者による今後1年間の見通し判断を調査した8月の消費者心理調査結果(有効回答数1157人)によると、先行き景況感は改善した6月から悪化へと転じ、景気見通し指数は1年半ぶりの水準まで低下、後退が示された。物価の「上昇」見通しは、6月比でやや減少。6月におよそ21年ぶりの水準を回復した失業「不安」見通しは微増も、底堅さが認められ、収入の先行きは僅かに後退も、4月の水準で踏み止まっている。

 4月は後退、6月は改善と反対方向に大きく振れていた消費者心理は、8月は再び大きく後退、揺らいでいる。消費者の景気、雇用、収入、物価等に対する見通しの変化を反映した消費者心理の総合指標ともいうべき生活不安度指数は、8月は129となって、前回6月(120)からかなり上昇、2調査ぶりに悪化して、前々回4月(129)の水準に後戻りとなった。2月(120)以降短期間に大きく改善、悪化の繰り返される不安定な状態が続いている。

 生活不安度指数のもととなる今後1年間の暮らし向きの見通しは、「良くなる」6.5%、「変わらない」58.7%、「悪くなる」26.1%。先行きの景況感は、「良くなる」12.5%、「変わらない」37.5%、「悪くなる」37.3%。6月と比べ、「良くなる」は僅かに減少、2調査ぶりのマイナスで、「悪くなる」はやや増加、プラスとなった。この回答割合を指数化した8月の国内景気見通し指数は59で、17年2月以来1年半ぶりに60を下回る水準まで悪化した。

 雇用(失業不安)の先行き見通しでは、「不安」と答えた人は55.7%、「不安なし」は41.7%。6月と比べて「不安」は僅かに増加、一方で「不安なし」はほぼ横ばい。収入の先行き見通しをみると、「増える」人は11.5%、「変わらない」人は51.9%、「減る」人は29.1%。6月と比べ、「増える」は僅かに縮小、2調査連続のマイナス、他方、「減る」はやや拡大し、ともに4月の水準に逆戻り。「変わらない」は僅かなプラス、ほぼ半数を占めている。

 物価の先行き見通しでは、「上昇」は62.3%、「変わらない」は23.9%、「下落」は1.6%。6月と比べて、「上昇」はやや減少、2月とほぼ同水準を維持し、さらに17年4月からは9調査続けて6割超となっている。一方、「下落」はほぼ横ばい状態、また、「変わらない」は2調査連続の増加で2割を超えている。以上、2調査続いた後退の後、前回6月に反転、改善の見られた消費者心理は、今回8月は再び悪化を示し、不安定な状態が続いている。

 なお、今後1年間が商品等を購入するのに「良い時」か「悪い時」かについて尋ねた8月の購買態度指数は、「不動産」(97→90)はかなり悪化、「自動車」(98→97)はほぼ横ばいも弱含み、「耐久財」(110→108)は僅かにマイナスとなり、全ての指数が前回6月から後退を示している。

 同調査結果は↓
http://www.research-soken.or.jp/reports/csi/239.html