全国社長の輩出率、徳島県が1.40%で4年連続トップ

 2017年の都道府県別の社長「輩出率」は「徳島県」が4年連続でトップだったことが、東京商工リサーチが発表した「2017年全国社長の輩出率、地元率調査」結果で分かった。出身地の都道府県内の企業で社長に就く「地元率」は、「沖縄県」が92.9%と唯一の90%超えで他を圧倒。調査を開始以来、8年連続でトップを維持した。社長の出身地は、東京都、北海道、大阪府、愛知県など、大都市や中核都市が上位を占めている。

 社長「輩出率」トップは、「徳島県」が1.40%で4年連続トップ。堅実・実利を尊ぶ県民性のほか、ブロードバンド環境の整備を進め、先端産業・ベンチャー企業集積も目指している。2位は「山形県」の1.28%。“辛抱強くて、堅実”な県民性に加え、江戸時代から商工業が活発な土地柄で、絹織物「米沢織」や「山形鋳物」など伝統工芸品が数多くある。以下、「香川県」1.18%、「秋田県」1.17%、「愛媛県」1.05%の順で続く。

 一方、輩出率が低いのは47位に「埼玉県」(0.26%)、46位に「千葉県」(0.28%)、45位に「神奈川県」(0.33%)と首都圏のベッドタウンが続く。輩出率上位県とは対照的に3県とも人口が増加しており、輩出率を相対的に下げている。また、都道府県別の社長出身地人数では、トップが8年連続で「東京都」、次いで「北海道」、「大阪府」、「愛知県」、「神奈川県」、「福岡県」と、大都市や中核都市が続く。一方、最も少なかったのは「鳥取県」だった。

 地元出身者が地元企業の社長を務める、社長「地元率」では、「沖縄県」が92.9%(前年94.1%)で8年連続トップとなった。離島の地理的条件の他、産業構造が公共投資・観光・基地の「3K」に依存し、かねて「製造業の不毛の地」とも言われてきた。他県からの企業進出が少なく、雇用の受け皿も不足するなか、近年は観光関連を中心に好調な景気を背景に開業率が高い。

 沖縄県に次いで、「愛知県」89.5%、「北海道」87.9%、「広島県」87.1%と続く。愛知県、広島県は地域の中核都市と同時に、自動車産業など基幹産業の取引先や関連企業などで裾野が広く、下請け企業なども先代の跡を継いだ同族社長が多い。一方、「地元率」が最も低かったのは「鹿児島県」の63.8%、次いで、「奈良県」66.7%、「長崎県」67.7%と続く。全国平均は79.7%で、21道府県で平均を上回った。

 同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180910_03.html