イマドキ若手社員の仕事への意識調査~日本能率協会

 日本能率協会マネジメントセンターが、2017~2018年に入社した新入社員391名、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員516名を対象に実施した「イマドキ若手社員の意識調査」結果によると、新入社員の60.6%が、仕事を通した自身の成長について「一時的に業務の負荷や労働時間が増えても挑戦したい」と回答した。一時的な負荷がかかっても自身の成長につながるなら挑戦したいという成長意欲を持つ新入社員が多いことがうかがえる。

 一方、先輩・上司社員の41.5%と4割強は「負荷は配慮するが、必要な仕事は残業になるとしても依頼している」としたが、58.5%と6割近くが、「新人の成長につながる仕事であっても残業をしないことを優先して、新入社員の業務を減らしている」と回答。新入社員の成長機会よりも、残業時間を減少させることを優先させている実態がうかがえる。新入社員の成長のために、業務時間をいかに有効的に使うかが課題となっているようだ。

 仕事で失敗から学ぶことの大切さについては、上司・先輩社員のうち1998~1992年入社の「バブル期入社」世代、同1999~2003年入社の「氷河期入社」世代、新入社員とも70%以上と意識が高い。しかし、新入社員では仕事で失敗したくないという割合が82.9%であり、バブル期入社世代と氷河期入社世代よりも高い結果となった。新入社員は、仕事で失敗を恐れないことの大切さは認識しつつも、心のハー ドルが高い様子がうかがえる。

 新入社員に、働き方、成長意欲、自身の働き方、上司・先輩社員からの指導スタイルに対する意識を尋ねたところ、全体的に二極化する傾向が明らかになった。第4次産業革命を迎え人生100年時代が到来するいま、新入社員の中でも仕事に対する意識は個人ごとに異なっている。企業は、多様化する個人の 労働意識に見合った人材育成戦略、職場環境、対人コミュニケーションが求められている。

 今回の調査結果から、新入社員が行動を阻む心の壁を乗り越え、一人ひとりの価値観に 沿って成長していくためには、(1)育つ環境で経験を積む(失敗を恐れる若手社員が一歩踏み出すことを支援するため、経験(研修含む)から学ぶ姿勢・習慣づくり、(2)振り返る「機会」を増やす(経験したことを振り返るための場(ミーティングなど)を設定、(3)学びを「言語化」、「可視化」する、との3つのポイントが重要としている。

 同調査結果は↓
http://www.jmam.co.jp/topics/1233856_1893.html