国税庁が8月31日に発表した2019年度機構・定員要求によると、同年度の定員要求については、(1)税制改正等への対応、(2)租税回避等への対応、(3)新たな経済活動等への対応などの観点から、1103人の増員要求を行った。一方で、2019年度の国税庁の定員合理化目標数が1050人であることから、差し引き53人の純増となった。定員が純増となるのは3年連続。この結果、要求が通れば2019年度の定員は5万7727人となる。
主な機構要求をみると、ICT化への対応のため、国税庁長官官房に審議官を、東京国税局に情報システム監理官(仮称)を置く。国際化への対応のため、国税庁に国際企画官(国際業務課)、国税局及び税務署に国際税務専門官を置く。調査・徴収事務の複雑化等への対応として、東京局に徴収部次長、関東信越局に統括国税査察官、また、国税局に課長補佐や査察機動専門官を増設。そのほか、国税庁に鑑定企画管理官(仮称)を新設する。
また、定年後、年金を受給するまでの間の経済的穴埋めとして、国家公務員の再任用が行われているが、一般職員はもとより、いわゆる「あっせん」がなくなったことから、指定官職も再任用となるケースが珍しくなくなった。そこで、これらの職員に対して、再任用短時間勤務職員用ポストとして、国税庁に派遣監督評価官補、国税局に国税広報広聴専門官や管理監査官、実務指導専門官などのポストを増設する。
なお、国税庁が同日に公表した2019年度予算概算要求・要望額によると、緊縮財政の中で税務行政といえども必要経費を十分に確保することは難しいなか、2019年度は、2018年度当初予算額に比べ0.1%減とほぼ横ばいの約7025億円を求めた。国全体の歳出削減が厳しく求められるなかで、税務行政の一層の適正な執行を確保し、適正・公平な課税の実現や歳入確保の要請に応えるためのギリギリの要求ということになる。
定員・機構要求は↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/teiin_kiko/0018008-058.pdf 国税庁関係予算概算要求・要望額は↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/yosan_gaisan/index.htm