経営者の1日の労働時間、「8時間」が約3割で最多

 4月に閣議決定された小規模企業白書では、人手不足により経営者に業務が集中していることから、経営者の業務効率化を進めることが必要とされている。大同生命保険が発表した「経営者の労働実態に関する調査」結果(有効回答数4419社)によると、経営者の1日当たりの労働時間は、全体では「8時間」が33%と最も多く、次いで「10時間」が18%となった。以下、「9時間」と「12時間以上」がともに15%で続いた。

 1週間のうち平均的な休暇日数は、全体では「約1日」が38%と最も多く、次に「約2日」が29%となったが、「ほぼ休暇は取得していない」とする経営者が7%いた。1日当たりの労働時間別では、労働時間が長い経営者ほど、休暇日数が少なくなっている。特に、1日当たりの労働時間が12時間以上では、「ほぼ休暇を取得していない」(22%)、「約半日」(12%)が約3割だった。業種別では、建設業で「約1日」以下が約6割となっている。

 一日当たりの労働時間において従事する業務の割合は、全体では「経営企画・管理」が34%と最も多く、次いで、「営業・販売」(25%)、「経理・総務・その他」(21%)、「製造・建設」(14%)、「商品やサービスの研究・開発」(6%)が続いた。従業員規模別では、「経営企画・管理」の割合が「5人以下」の25%から「21人以上」の48%まで、従業員数が多いほど「経営企画・管理」が多くなっている。

 最も削減したい業務では、「削減の必要性は感じない」との回答が38%と最も多かったが、それを除くと、「経理・総務・その他」が19%で最多だった。その業務を削減するのに必要な対応では、「製造・建設」で「人員の増員」(44%)が最も多く、「製造・建設」以外では「人材育成」が最も多くなった。また、「経理・総務・その他」では「IT化等による業務の効率化」(18%)が他の業務に比べ多くなった。

 業務削減により、時間が確保できた場合に注力したいこと(3つまで回答)は、仕事関係では、「経営計画の策定・見直し」(28%)、「従業員の育成・技能強化」(25%)、「新規事業・新商品の検討」(24%)が、プライベートでは、「趣味・休息」(28%)、「健康管理・体力づくり」(25%)がそれぞれ上位に挙げられた。年齢別にみると、年齢が若いほど仕事関係の割合が多く、年齢が高いほどプライベートの割合が多い傾向となっている。

 同調査結果は↓
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material&sid=96788&code=JP8795