帝国データバンクが25日に発表した「2017年度主要上場建設会社58社の受注・業績動向調査」結果によると、主要上場建設会社58社のうち、個別受注高の判明している48社の2017年度の受注高合計は、前年度比0.4%増の13兆2724億3100万円となった。2年連続で受注高は伸び、金額ベースでは高位を維持しているものの、東京五輪に伴う再開発事業の発注面でのピークアウトなどから伸び幅は鈍化傾向にある。
48社中、受注高が増加したのは23社(構成比47.9%)で、減少したのは25社とほぼ半々だった。また、工事受注高の内訳(官・民)が判明している32社の受注状況をみると、官公庁工事の受注高は、前年度比18.8%減の2兆5406億700万円となった。東京五輪関連の再開発事業が発注面でのピークアウトを迎えたことなどから、2年ぶりに受注高は減少に転じた。受注が増加したのは32社中12社(同37.5%)、減少したのは20社。
一方、民間工事の受注高は、前年度比2.1%増の7兆3309億300万円。6年連続で増加傾向が続いているが、その伸びは2012年度以来(同2.2%増)の低水準にとどまり鈍化傾向にある。受注の増加企業・減少企業ともに16社とちょうど半数。民間受注高の増減率では、官公庁受注でも上位だった「熊谷組」の前年度比30.4%増がトップ、次いで、スーパーゼネコンの「大成建設」が同26.1%増、「矢作建設工業」の同21.9%増と続く。
主要上場建設会社58社の連結売上高合計は、前年度比3.4%増の16兆5215億2400万円。先行指標となる受注高の動向を考慮すれば、今年度はやや伸びが鈍化するとみられる。増収となった企業45社(構成比77.6%)に対し、減収は13社にとどまり、業績面では大半の企業が好決算となった。売上高増減率のトップは、「東急建設」の前年度比31.6%増、次いで、「大本組」の同27.0%増、「巴コーポレーション」の同21.1%増となっている。
主要上場建設会社58社の売上総利益率(連結)を各企業の平均でみると、2017年度は12.6%と、前年度からほぼ横ばいとなった。近年一貫して上昇傾向にあった利益率は、ここに来て頭打ちとなった。ゼネコンではこれまで売上総利益率10%が好業績、高採算の指標となるが、2014年度に10.2%と大台に乗せて以降、受注の増減に関わりなく上昇傾向が続いていた。売上総利益率が上昇した企業、低下した企業いずれも29社となった。
同調査結果は↓
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p180604.pdf