「事業承継を了解済みの後継者」がいる企業は4割強

 大阪商工会議所が府内の代表者年齢が60歳以上の中小企業を対象に2月中旬~3月初旬に実施した「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」結果(有効回答数534社)によると、事業承継に関する代表者の意向は、回答企業の49.4%と約半数が「親族に承継したい」と回答した。「自社の役員・従業員に承継したい」(16.9%)がこれに続く。代表者の年齢別にみると、「親族に承継したい」との回答は、70歳以上の層で57.9%にのぼる。

 自社の業績別にみると、調査時点の前期が赤字だった企業では、「親族に承継したい」との回答は37.6%にとどまり、「自分の代で廃業するつもり」が2割強(21.1%)と目立つ。現在の代表者にとって意中の「後継者はいる」とする回答は、全体の6割強(63.7%)。一方、「後継者はまだ決めていない」(16.7%)と「後継者はいない」(16.5%)を合わせると、およそ3分の1にのぼる。

 これを代表者の年齢別にみると、70歳以上の層でも「後継者未定」(14.5%)又は「不在」(15.7%)とする回答が合わせて約3割を占める。業績別には、前期が黒字であった企業でも、約3割で「後継者未定」(16.8%)又は「不在」(12.8%)といった状況にある。また、上記設問で、代表者にとって意中の「後継者はいる」と回答した企業のうち、「既に後継者本人の了解を得ている」とするのは、およそ3分の2(67.6%/230社)だった。

 つまり、回答企業全体(534社)の4割強(43.1%)にとどまる。同様に、70歳以上の層(235社)でも、「後継者はいる」かつ「既に後継者本人の了解を得ている」企業は、全体の半数弱(48.9%/115社)だった。現在の代表者が想定する事業承継の時期については、全体の51.1%と半数強が「5年以内」と回答。「5年超~10年以内」(29.8%)がこれに続く。特に70歳以上の層では、「5年以内」との回答が7割近い(68.1%)。

 事業承継計画の有無については、「計画があり進めている」とする回答は、現状、全体の2割強(22.3%)にとどまる。他方、「計画はないが今後策定する予定」(27.2%)、「計画はないし今後も策定する予定はない」(19.7%)、「事業承継計画についてよく分からない」(11.0%)を合わせた全体の5割台半ばが、現状、事業承継計画を策定していない。同様に、70歳以上の層でも、「計画があり進めている」は24.7%だった。

 同調査結果は↓
http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/k300516jsk.pdf