信金中央金庫がこのほど発表した「2022年の経営見通しに関する特別調査」結果(有効回答数1万3905社)によると、2022年の我が国の景気見通しについては、「良い」が14.5%、「悪い」が57.5%となった。景気見通しID(「良い-悪い」)は▲43.0と、1年前の調査(▲82.0)と比べて39.0ポイントの大幅改善となった。規模が大きいほど強気の傾向がみられた。業種別では、不動産業、製造業で比較的強気の見通しとなった。
2022年の自社の業況見通しについては、「良い-悪い」が▲27.1となり、1年前の調査(▲58.2)に比べて31.1ポイントの大幅改善となった。景気見通しと同様、規模が大きいほど強気の傾向がみられた。業種別では、不動産業、製造業で強気の見通しとなった。また、2022年の自社の売上額見通し(伸び率)を「増加-減少」でみると、1年前の調査(▲29.3)に比べて36.9ポイント上昇し7.6となった。
自社の売上額見通しにおいて増加が減少を上回ったのは3年ぶり。総じて規模が大きいほど強気の傾向がみられた。業種別では、小売業を除くすべての業種でプラスとなった。自社の業況が上向く転換点については、「すでに上向き」が14.8%、「6ヵ月以内」が13.4%、「1年後」が23.1%と、合計で51.3%が現在を含めて1年以内に業況が上向くと回答。ただし、規模による二極化の様相となっている。
原材料・仕入価格については、「販売価格に転嫁できている・仕入価格は上がっていない」は21.3%にとどまった。残りの78.7%の対応(複数回答)については、「経費の削減」(38.5%)が最も高く、次いで、「仕入先・仕入れ方法の変更」(16.8%)、「製品・商品・サービスの見直し」(15.8%)、「生産性の向上(システム投資など)」(10.2%)などが続いた。一方、「特に対応はしていない」は19.4%となった。
中小企業からは、「小麦や油など原材料価格上昇を受け、商品価格をやむなく改定。消費者の反応は敏感であり、売上が減少した」(洋菓子製造 北海道)、「国産木材の引合いが強く、仕入価格が上がっている。ガソリン等も値上がりしているが、価格転嫁はできていない」(チップ製造 岩手県)、「中国産の農薬や尿素などの輸入が困難になっており、仕入価格上昇は続くとみている」(種苗、農業資材卸売 岩手県)などの声が寄せられている。
同調査結果は↓
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8421/ir_material1/174775/00.pdf