17年の模倣品・海賊版の相談件数が過去最多の389件

 経済産業省及び関係府省(内閣府、警察庁、消費者庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省及び農林水産省)は、この1年間に実施した模倣品・海賊版対策等についてとりまとめた「模倣品・海賊版対策の相談業務に関する年次報告」を公表した。ポイントとして、相談・情報提供の受付件数のうち相談件数が過去最多となったこと、インターネット取引関連の相談・情報提供が引き続き高い割合を占めていることが挙げられる。

 2017年の受付件数の総数は2016年(898件)に比べて10.7%減少の804件となったものの、このうちの相談件数については過去最高の389件となった。また、受付件数の総数804件のうち、「インターネット取引」に関連する相談・情報提供が486件と全体の約60%を占めたほか、管理者、模倣品を購入した消費者以外からの相談(売買や輸入等を検討中の事業者などからの相談)が前年に比べて増加した。

 相談案件のうち、対象となる知的財産権の内容が明らかなものの42.4%が「商標権」に関する相談、以下、「著作権」(14.2%)、「特許権」(12.8%)、「不正競争」(12.3%)だった。不正競争については形態模倣の相談が多く、意匠権と合わせて形態模倣に関する被害が深刻な状況がうかがえる。製造国が判明している相談案件のうち、中国(香港を含む)が相談国である相談案件が全体の73.3%と7割強を占めた。

 なお、特許庁が、2016年度において我が国の産業財産権を保有する我が国企業を対象として実施した「2017年度模倣被害実態調査」によると、調査票を送付した4188社のうち、調査に回答した企業は2043社。この中で2016年度中に「模倣被害を受けた」と回答した企業は478社(回答企業の24.1%)。さらに被害状況は、「製造国(地域)」、「経由国(地域)」、「販売提供国(地域)」別で、いずれも中国が最多となっていた。

 同年次報告の概要は↓
http://www.meti.go.jp/press/2018/06/20180629002/20180629002-1.pdf