20年の年次有給休暇の取得率が過去最高の56.6%に

 厚生労働省が常用労働者30人以上を雇用する民間企業を対象に1月1日現在の状況で実施した「就労条件総合調査」結果(有効回答数4013社)によると、2020年1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は労働者1人平均17.9日(前年18.0日)、そのうち労働者が取得した日数は10.1日(同10.1日)で、取得率は56.6%(同56.3%)となり、取得日数は過去最多(1984年以降)、取得率は過去最高(同)となったことが分かった。

 取得日数や取得率の上昇は、2019年4月から年5日の有給の確実な消化が企業に義務付けられたことが影響しているとみられる。取得率を企業規模別にみると、「1000人以上」が60.8%、「300~999人」が56.3%、「100~299人」が55.2%、「30~99人」が51.2%。産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が73.3%と最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」が45.0%と最も低くなっている。

 2020年における1日の所定労働時間は、1企業平均7時間47分(前年7時間47分)、労働者1人平均7時間46分(同7時間46分)と前年と変わらない。主な週休制の形態をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は83.5%(同82.5%)、このうち、「完全週休2日制」を採用企業割合は48.4%(同44.9%)。年間休日総数の1企業平均は110.5日(同109.9日)、労働者1人平均は116.1日(同116.0日)となっている。

 賃金制度をみると、時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は84.7%(前年81.6%)、そのうち時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は94.5%(同93.3%)、「26%以上」とする企業割合は5.5%(同4.5%)。2020年の「労働費用総額」は常用労働者1人1ヵ月平均 40万8140円。「労働費用総額」に占める「現金給与額」の割合は82.0%、「現金給与以外の労働費用」の割合は18.0%となっている。

 「現金給与以外の労働費用」7万3296 円の内訳は、「法定福利費」5万283 円(構成割合 68.6%)、「退職給付等の費用」1万5955 円(同21.8%)、「法定外福利費」4882 円(同6.7%)。一方、「法定福利費」5万283 円の内訳は、「厚生年金保険料」2万7905 円(同55.5%)、「健康保険料・介護保険料」1万7496 円(同34.8%)、「労働保険料」3695 円(同7.3%)などとなっている。

 同調査結果の概況は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaikyou.pdf