現在の勤め先に満足な転職者、不満足を大幅に上回る

 厚生労働省が5人以上の常用労働者を雇用する事業所及びそこで働く転職者を対象に2020年10月1日現在の状況で実施した「2020年転職者実態調査」結果(有効回答数9149事業所、5530人)によると、個人調査では、転職者の現在の勤め先における職業生活全体の満足度DI(「満足」-「不満足」割合)は42.0ポイントとなり、現在の勤め先に満足な転職者が不満足な転職者を大幅に上回った。

 転職者が直前の勤め先を離職した主な理由は、「自己都合」が76.6%と最も高い。「自己都合」による離職理由(3つまで回答)は、「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」が28.2%で最も高く、次いで「満足のいく仕事内容でなかったから」(26.0%)、「賃金が低かったから」(23.8%)が続いた。男女別にみると、男は「満足のいく仕事内容…」が28.4%、女は「労働条件(賃金以外)が…」が28.1%と、それぞれ最も高い。

 転職者が現在の勤め先を選んだ理由(3つまで回答)は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が41.0%で最も高く、次いで「自分の技能・能力が活かせるから」(36.0%)、「労働条件(賃金以外)がよいから」(26.0%)など。なお、直前の勤め先の通算勤務期間は、「2年以上5年未満」が26.9%、「10年以上」が19.7%、「5年以上10年未満」が17.7%となっており、10年未満の全ての階級で、女が男より割合が高くなっている。

 一方、事業所調査によると、「一般労働者(フルタイム労働者)がいる事業所」のうち、「転職者がいる事業所」割合は33.0%であり、「雇用期間の定めのない転職者がいる事業所」は28.9%、「1年以上の雇用期間の定めがある転職者がいる事業所」は8.7%だった。また、在籍する一般労働者に対する転職者割合は7.2%。産業別では、「サービス業(他に分類されないもの)」が11.1%と最も高く、次いで「宿泊業、飲食サービス業」が10.0%で続く。

 転職者を採用する理由(3つまで回答)については、「管理的な仕事」及び「専門的・技術的な仕事」は、「経験を活かし即戦力になるから」及び「専門知識・能力があるから」の割合が高く、その他の職種は「離職者の補充のため」などの割合が高い。また、今後3年間に「転職者を採用する予定がある」事業所割合は53.3%で、このうち、「転職者を優先して採用したい」が35.7%、「新規学卒者を優先して採用したい」が12.3%だった。

 同調査結果は↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-r02-gaikyo.pdf