リクルートワークス研究所がこのほど発表した「中途採用実態調査」結果(有効回答数4266社)によると、2017年度の中途採用実績は、1社当たり中途採用人数が1.44人と、前年の1.29人から増加している。業種別では、「その他サービス業」(+60.1%)、「機械器具製造業」(+27.7%)は増加幅が大きい一方、「飲食店・宿泊業」(-24.9%)、「運輸業」(-14.8%)は対前年増減率が二ケタのマイナスであり、業種により傾向が分かれている。
2017年度下半期の中途採用において、人員を「確保できなかった」との回答企業が49.9%と、過去5年の同時期と比べて最も高く、一層確保が困難な状況となっている。「確保できた」企業の割合と「確保できなかった」企業の割合の差(「中途採用確保D.I.」)は、全体で-0.4ポイントと前年(+10.6ポイント)より大きく下降。従業員規模別では、300~999人規模の中堅企業で-3.8%ポイントと他の従業員規模の企業に比べて低い水準にある。
「中途採用確保D.I.」を業種別にみると、「金融・保険業」(+36.9%ポイント)、「教育・支援事業」(+23.0%ポイント)など高い水準の業種がある一方で、「建設業」(-32.4%ポイント)、「飲食店・宿泊業」(-16.4%ポイント)、「機械器具製造業」(-14.4%ポイント)など確保できなかった企業が確保できた企業を上回っている業種も存在するなど、業種ごとの差が顕在化している。
2017年度下半期における中途採用年齢層をみると、「10代・20代」(48.9%)、「30代」(54.4%)、「40代」(39.4%)といった年齢層の採用は多くの企業が行っている。一方で、「50代」(19.1%)、「60代・70代以上」(4.9%)は低い水準にとどまる。従業員規模別では、60代・70代以上を採用している企業の割合は、「2000~4999人」の企業(6.4%)において比較的高く、50代については「5000人以上」の企業(29.2%)において高い。
2017年度の採用において、新卒採用(大学生・大学院生)と中途採用(正規社員、経験者・未経験者)の実績人数の比率をみると、新卒採用の比率は34.7%。全体の65.3%を占める中途採用のうち、59.2%が「経験者」、40.8%が「未経験者」の採用となっており、新卒も合わせた比率でみると、「新卒」34.7%、「経験者の中途採用」38.7%、「未経験者の中途採用」26.7%と、概ね三分割される構造となっている。