11月の消費意欲指数、男性の意欲向上が目立つ

 博報堂の生活総研が、首都・名古屋・阪神在住の20~69歳の男女の消費者1500名を対象に実施した「来月の消費予報」によると、11月の消費意欲指数は47.9点で、前月比は+1.8ポイントとやや増加し、前年比では-1.9ポイントの微減となった。また、特に買いたいモノ・利用したいサービスがある人の割合は、全体では前月比-0.9ポイント、前年比では-0.4ポイントの26.9%となった。

 消費意欲指数は、調査パネルの一般生活者1500名に対し、「消費意欲(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)が最高に高まった状態を100点とすると、あなたの来月(11月)の消費意欲は何点ぐらいか」と質問したもの。例年11月は、年末年始を控えて消費意欲指数の変動が少ない月だが、今年は前月比がやや増加、前年比も微減にとどまり、コロナ禍の反動で指数が過去5年の最高値となった前年11月に近い水準となっている。

 コロナ禍に関連した回答をみると、消費にポジティブな回答は前月から3倍近くに増加(10月32件→11月90件)、ネガティブな回答は大幅に減少(10月211件→11月118件)し、コロナ禍が本格化した昨年4月以降、初めて両者の差が大きく縮まった。具体的には、消費にポジティブな回答で「緊急事態宣言が明けたので」(10月0件→11月44件)が多くあがったり、消費にネガティブな回答が減っている。

 例えば、「コロナ禍で外出、買物できない・自粛」(10月94件→11月38件)、 「(コロナなど)病気が怖いので出かけたくない」(10月68件→11月43件)などが減っている。緊急事態宣言が明けたことや、コロナ禍の不安が減ってきたことで、消費への消極的な意識がやわらいでいるようだ。ただし、指数が大きくは上昇していないのは、「年末に向けて節約」(10月8件→11月36件)といった節約意識の影響も考えられる。

 また、消費意欲指数を男女別にみると、前月比で男性は+3.6ポイント、女性±0.0ポイントと、男性は2ヵ月続いた減少傾向に歯止めがかかって大きく上昇し、女性は10月に高まった消費意欲指数を維持。さらに、「特に買いたいモノ・利用したいサービス」におけるカテゴリー別の消費意向は、前月と比べて「旅行」が20件以上増えており、これは男性における増加が主(前月比+38件)で、11月は男性の消費意欲の高まりが期待できそうだ。

同調査結果は↓

https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2021/10/202111-1.pdf