余暇市場、飲食・観光に打撃、配信や公営競技が増加

 日本生産性本部が発表した「レジャー白書2021」によると、2020年の余暇市場は55兆2040億円で、前年比▲23.7%減少した。近年わずかに増加傾向にあったが、大幅なマイナスに転じた。市場規模の突出して大きいパチンコ・パチスロを除くと前年比▲22.4%減となり、7年続いていたプラス成長からのマイナスとなる。コロナ禍の影響により、休業を余儀なくされた観光・行楽部門をはじめ、4部門すべてがマイナスとなった。

 「スポーツ部門」(前年比▲15.9%)は、スポーツ用品、屋内施設でマイナス。試合中止や試合数減少、大幅な入場者数制限でスポーツ観戦料収入は大きくマイナス。一方、コロナ禍でもスポーツ自転車、ゴルフ練習場はプラスとなった。「趣味・創作部門」(前年比▲9.5%)は、巣ごもり消費でコンテンツ配信は大きな伸びが続いたが、音楽コンサート、演劇、映画などの鑑賞レジャーは激減。カメラ、ビデオカメラも落込みが大きい。

 「娯楽部門」(前年比▲21.8%)は、公営競技の好調が続いた。巣ごもり消費でテレビゲームとソーシャルゲームが増加。一方、飲食、カラオケボックス、パチンコ、ゲームセンターは大きく落ち込んだ。「観光・行楽部門」(前年比▲43.7%)は、コロナ禍の移動制限等の影響で大きく減少。海外旅行が前年比▲90%以上減少し、国内観光も総じてマイナスが大きく、航空、鉄道、バス、旅行業、ホテル、旅館、遊園地・レジャーランドの打撃は大きい。

 また、2020年の余暇活動の参加人口は、「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」(3900万人)が初の参加人口首位となった。コロナ禍の影響を受け、2019年まで9年連続首位だった「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は4位に後退、「外食(日常的なものは除く)」(前年2位→6位)、「ドライブ」、「映画(テレビは除く)」(同5位→8位)など、外出や移動を伴う多くの活動が順位、参加人口ともに前年を下回った。

 対して、2位の「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」、3位の「音楽鑑賞(配信、CD、レコードなど)」、7位の「ウォーキング」、9位の「SNS、ツイッターなどのデジタルコミュニケーション」など、在宅や近場で行える活動の順位が上昇した。参加人口は多くの種目で前年と比べ同程度もしくは減少したが、「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」は前年より390万人、「体操(器具を使わないもの)」は前年より180万人増加した。

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