帝国データバンクが発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、8月の倒産件数は449件で、前月比は▲8.4%、前年同月比でも▲31.5%と、2000年以降8月としては過去最少を記録した。また、3ヵ月連続で月別の過去最少件数となり、資金繰り支援による倒産抑制の効果が続いている。業種別では、全業種で2ヵ月連続の前年同月から二ケタ減少。地域別でも、9地域中8地域で前年同月比減少となった。
一方、負債総額は946億2100万円(前月734億400万円、前年同月1048億100万円)、前月比では28.9%増、前年同月比でも36.6%の増加となって、中規模以上の倒産増加の影響で3ヵ月ぶりの前年同月比増加となった。負債5000万円未満の倒産は259件、前年同月比▲40.5%の大幅減となった。負債額最大の倒産は、ユーロテックジャパン(株)(和歌山県、民事再生)の約72億円だった。
倒産件数を業種別にみると、全業種で2ヵ月連続の前年同月比二ケタ減少となった。なかでも、建設業(78件、前年同月比▲27.1%)、製造業(50件、同▲26.5%)、卸売業(60件、同▲31.8%)、不動産業(11件、同▲56.0%)の4業種では、8月として過去最少を更新した。うち建設業では、職別工事業(32件)と総合工事業(29件)が8月として過去最少。卸売業では、繊維製品卸売業(6件)が2000年以降で過去最少となった。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は259件(前年同月比▲40.5%)で、構成比は57.7%を占めた。一方、負債10億円以上の倒産は合計24件(前年同月比60.0%増)と大幅増となり、13ヵ月ぶりに20件台となった。資本金規模別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が284件(同60.0%増)で構成比は63.3%を占めた。
地域別にみると、9地域中8地域で前年同月比減少となった。なかでも北海道(6件、前年同月比▲45.5%)は2000年以降で過去最少となったほか、関東(171件、同▲27.8%)、中部(57件、同▲40.0%)、近畿(103件、同▲43.7%)、中国(20件、同▲33.3%)の4地域が、8月としては過去最少となった。都道府県別では東京都(84件)をはじめ、大阪府(51件)、愛知県(24件)など10都道府県で、8月として過去最少を記録した。
同倒産状況の概要は↓