コロナ破たん、約1年6ヵ月で累計2000件に膨らむ

 「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円未満を含む)が8月31日、全国で累計2000件(倒産1899件、弁護士一任・準備中101件)に達したことを、東京商工リサーチが発表した。2020年2月に第1号が判明して以降、約1年後の2021年2月には1000件に達し、8月も31日時点で137件が判明するなど高水準で推移。コロナ関連破たんは2020年2月に第1号が発生して以来、約1年6ヵ月で2000件に膨らんだ。

 全国的に感染者数の高止まりが続くなか、「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」の対象は合計33都道府県に拡大。対象地域を中心に、飲食店などのサービス業や小売業、これらを取り巻く取引先にも影響が及び、夏場の書き入れ時に厳しい事業環境が続いている。息切れや事業継続をあきらめて破たんに至る小規模事業者を中心に、コロナ関連破たんは今後も増加をたどる可能性が高まっている。

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた「飲食業」が最多で366件に及ぶ。緊急事態宣言などの対象地域では休業や時短営業、酒類提供の制限などが続き、コロナ破たんがさらに増加する可能性がある。次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた「建設業」が193件、小売店の休業が影響した「アパレル関連」の168件のほか、ホテル、旅館の「宿泊業」と「飲食料品卸売業」が同件数の91件と、上位を占めている。

 負債額が判明した1963件の負債額別では、「1千万円以上5千万円未満」が最多の687件(構成比34. 9%)、次いで「1億円以上5億円未満」が610件(同31.0%)、「5千万円以上1億円未満」が334件、「5億円以上10億円未満」が117件、「10億円以上」が110件の順。負債1億円未満が1126件(同57.3%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型倒産も6件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した1899件の形態別では、「破産」が1699件(構成比89.4%)で最多。次いで「民事再生法」が92件(同4.8%)、「取引停止処分」が85件(同4.4%)、「特別清算」が15件、「内整理」が7件、「会社更生法」が1件と続く。「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の 合計は1割未満にとどまり、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

 同調査結果は↓

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210831_04.html