21年大手企業の賃上げ率は8年ぶり2%割れ~経団連

 日本経団連が発表した2021年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果の最終集計によると、大手企業の賃上げ率は1.84%と、2013年の春季交渉以来、8年ぶりの2%割れとなったことが分かった。同調査は、原則、東証一部上場企業、従業員500人以上の主要21業種大手256社を対象に実施した。最終集計は、21業種190社(74.2%)で妥結しているが、このうち平均金額不明などの60社を除いた130社の回答を比較したもの。

 調査結果によると、妥結金額は6124円、伸び率は1.84%となった。回答企業の2020年の実績と比べると、金額で972円、率で0.28ポイントともに減少している。2021年の賃上げ率2.53%は8年ぶりの2%割れとなったが、新型コロナウイルス感染症の影響が主因とみられている。経団連では、業種間だけでなく、「同じ業種内でもバラツキが出ている」と説明している。

 製造業・非製造業別にみると、製造業(118社)平均は、妥結金額が6153円、伸び率が1.87%で、2020年実績と比べ、金額で689円、伸び率で0.22ポイントともにやや減少。また、非製造業(12社)平均は、妥結金額が5959円、伸び率が1.68%で、2020年実績と比べ、金額で2438円、伸び率で0.56ポイントともに大きく減少した。非製造業の妥結金額、伸び率が全体を押し下げた格好だ。

 業種別にみると、妥結金額は、「建設」(7社)が1万1550円と唯一1万円台に乗せて最も高く、次いで「商業」(2社)の8263円、「自動車」(16社)の6937円、「繊維」(15社)の6390円、「機械金属」(4社)の6239円などが続く。また伸び率では、「建設」の2.43%が最も高く、次いで「商業」の2.11%、「自動車」の2.05%、「機械金属」と「繊維」がともに2.00%で続いている。

 2021年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果は

https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/065.pdf