2021年4月末時点における全国の女性社長比率は、前年比0.1ポイント増の8.1%となり、前年から微増ながらも過去最高を更新したことが、帝国データバンクがこのほど発表した「全国女性社長分析調査」結果で分かった。2021年は2年ぶりの上昇となり、1990年と比較すると30年間で3ポイント超増加したことになる。しかし、女性社長比率は依然として1割を下回る低水準で推移している。
業歴別にみると、設立から「10年未満」の企業では11.1%と最も高く、次いで「10~19年」(9.5%)、「20~29年」(8.3%)と続き、業歴が浅い企業ほど女性社長比率の割合が高かった。一方、設立40年以上では各レンジで7.0%前後にとどまった。10年前の2011年をみると、2021年同様「10年未満」(9.7%)が最も高かった。また、いずれの業歴においても女性社長比率は10年間で上昇した。
2021年時点の女性社長を年代構成でみると、「70~74歳」が15.9%で最も高く、次いで、「65~69歳」(13.2%)が続いた。平均年齢は63.2歳(前年比+0.2歳、男性社長平均60.7歳)で、女性社長企業の約6割が60歳以上だった。女性社長は徐々に高齢化が進んでおり、男性社長と比較すると、特に70歳以上に占める割合が年々高まっており、女性社長の高齢化がより目立っている。
就任経緯別でみると、「同族承継」による就任が50.8%と全体の半数を占めトップ。男性社長(39.5%)の同割合を11.3ポイント上回っている。次いで、「創業者」が 35.3%となり2番目に高かったものの、男性社長より5.2ポイント低く、前年からも低下した。女性社長の就任では同族承継が男性社長と比較して突出して高い一方、それ以外では男性社長を下回るなど、傾向には大きな差がみられる。
業種別にみると、「不動産」(16.9%)が最も高く、1990年から7.3ポイント上昇し、32年連続でトップとなった。以下、「サービス」(10.9%)、「小売」(10.7%)と続き、B to C業種は女性社長比率が高い傾向がみられる。特に「サービス」は直近10年間で全業種中最も伸び率が高い。他方で、「建設」(4.8%)は1997年以降25年連続で全10業種中最も低く、全体(8.1%)を大きく下回った。
女性社長の出身大学別にみると、「日本大学」が246人で2年連続のトップ。前年から 10人増加し、増加数も全国で最多。以下、「慶應義塾大学」(241人、7人増)、「早稲田大学」(226人、6人増)、「青山学院大学」(185人、8人増)と続き、首都圏の私立大学が上位を占めた。女子大学では「日本女子大学」(158人、6人減)が最多、「共立女子大学」(120人、横ばい)、「聖心女子大学」(96人、2人増)が続いた。
「全国女性社長分析調査」結果は↓