帝国データバンクがこのほど発表した法的整理による全国企業倒産状況(負債1千万円以上)によると、6月の倒産件数は537件で、前月比は16.5%増となったものの、前年同月比では、昨年6月の反動増だったこともあり、その影響で▲33.4%の大幅減少となった。2ヵ月ぶりに前年同月を下回り、6月としては件数で過去最少を記録し、3割超の減少率も初めてとなった。
一方、負債総額は725億8300万円(前月1664億4700万円、前年同月1264億3800万円)、前月比では▲56.4%、前年同月比でも▲42.6%の大幅減少となって、2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。6月としては過去最小で、2021年では2月(777億4500万円)を下回り最小となった。負債5000万円未満の倒産は309件、構成比は57.5%を占めた。負債額最大の倒産は、(株)レッグ(愛媛県、破産)の約69億円となる。
倒産件数を業種別にみると、7業種中6業種で前年同月から減少率二ケタ以上と大幅に下回った。なかでも不動産業(20件、前年同月比▲42.9%)は、不動産代理・仲介業(3件、同▲72.7%)が前年同月から7割超の減少。サービス業(118件、同▲42.4%)では、旅館・ホテル(4件、同▲76.5%)や老人福祉事業(8件、同▲38.5%)で大幅に減少。製造業(54件、同▲37.9%)、小売業(128件、同▲33.7%)も3割超の大幅減だった。
負債規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産は309件(前年同月比▲38.1%)で、構成比は57.5%を占め、60%を下回ったのは2020年5月以来1年1ヵ月ぶりとなった。資本金別では、個人経営と資本金1000万円未満(個人事業主を含む)の合計が351件(同▲36.9%)で構成比は65.4%を占めた。負債5000万円未満の倒産では、小売業(64件)が構成比27.2%を占め最も多かった。
地域別にみると、全9地域で前年同月を下回った。最も減少率が大きいのは北海道(11件、前年同月比▲57.7%)で前年から半減。中部(67件、同▲40.2%)、近畿(134件、同▲47.2%)はともに4割超の減少、東北(25件、同▲37.5%)、中国(22件、同▲31.3%)、九州(40件、同▲37.5%)はともに3割超の減少だった。関東(200件、同▲12.7%)は、1都5県で減少した一方、群馬県(13件、同62.5%増)が2021年中で最多となった。
同倒産状況の概要は↓